伊藤忠等の日本連合、GazpromとウラジオストックでのLNGプロジェクトの覚書

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昨日の記事「Rosneft とExxonMobil、戦略的協力関係を促進」で、
・RosneftとExxonMobilが
ロシア極東でのLNGプラント建設について、2013年末までに 細目を決定する
Rosneft がこれにサハリン石油ガス開発(SODECO;石油公団・伊藤忠・丸紅等のJV)やインドのONGC Videshを参加させる可能性がある
Rosneft が丸紅及び
サハリン石油ガス開発(SODECO)との間でLNG供給の覚書(Heads on Agreement)に調印した
ことを報告した。
プラントはサハリン1に建設する見込み。

現在のロシアの法律では、Gazpromのみが天然ガス、LNGを輸出する権利を持っている。

しかし、プーチン大統領は「ロシアが世界のLNG供給で3.6%しか占めていない」とGazpromに対する不満を示しており、2月13日、LNG輸出の段階的な自由化を検討するよう政府に指示した。

今回のRosneft のLNG供給の覚書締結はこれに基づくもの。

これに対し、GazpromもウラジオストクでのLNGプラント建設を計画している。

伊藤忠商事、石油資源開発(JAPEX)、丸紅、国際石油開発帝石(INPEX)及び伊藤忠石油開発が出資する極東ロシアガス事業調査㈱ とロシア国営ガス会社の Gazpromは6月22日、ウラジオストクにおけるLNGプロジェクトに関するMOUに調印した。

極東ガスは、2011年から2012年の間、Gazpromとの間で、ウラジオストク市周辺におけるLNGプロジェクトの共同事業化調査を実施致した。
この結果を受け、共同事業会社の設立に向けた協議を行い、並行して日本での共同マーケティング活動を実施することにつき基本合意した。

2030年に年産500万トンの第1プラントを、2032年に第2プラントを建設し、将来は年産1500万トン態勢とする計画。
LNG生産のためのガス田は、サハリン3のキリンスキー鉱区を想定している。

資源エネルギー庁とGazpromは2011年1月17日、ロシア東部での協力推進に関する合意文書に調印したと発表した。

内容は、
・ウラジオストク周辺における
LNG製造プラント建設に関するPre-FEED(初期設計前段階)、
CNG(圧縮天然ガス)生産・海上輸送、
・ガス化学製品の生産
に関する共同FSを2011年末までに完了するというもの。

2011/1/21 日ロ、LNG事業協力で正式調印

事業遂行のため、2010年12月6日に新会社「極東ロシアガス事業調査」が設立された。
  伊藤忠 32.5%、
伊藤忠石油開発 5%、石油資源開発 32.5%、丸紅 20%、国際石油開発帝石 10%

Gazpromは現在、サハリン南端のPrigorodnoyeにあるロシア唯一のLNG施設(サハリンエナジー所有)を通じて日本にサハリン2の天然ガスを供給している。

サハリン2プロジェクト
事業主体 Shell 55%→27.5%-1株
Gazprom 0%→50%+1株
・三井物産 25%
→12.5%
・三菱商事 20%
→10%
投 資 額 200億ドル
開発鉱区 ピルトン・アストフスコエ、ルンスコエ
推定可採
埋蔵量
①原油 10億バレル
②天然ガス 4,080億立方メートル
<石油>プリゴロドノエまでパイプラインで運搬後、新設港湾よりタンカーで日本等へ輸出
<ガス>プリゴロドノエまでパイプラインで運搬、同地で液化後、LNGをタンカーで輸出

Gazpromはサハリン3でも、キリンスキー鉱区とアヤシ・東オドプト両鉱区を開発している。

                       サハリン3プロジェクト
鉱  区 キリンスキー アヤシ(Ayashsky)、東オドプト(Odopinsky) Venin
事業主体 未定(2006年入札の見込み)
ガスブロム
未定(2006年入札の見込み)
ガスブロム
ヴェニネフチ(ウェーニン)

<出資企業>
・ロスネフチ・アストラ(露、49.8%)
・サハリンモルネフテガス・シェルフ
 (露、25.1%)
シノペック(中、25.1%)

    
Rosneft 74.9%
Sinopec25.1%

当初
・エクソンモービル社(米、33.35%)
・テキサコ社(米、33.35%)
・サハリンモルネフテガス・シェルフ社
 (ロシア、16.55%)
・ロスネフチ・アストラ社(ロシア 16.55%)
当初
・エクソンモービル社(米、66.7%)
・サハリンモルネフテガス・シェルフ社
 (ロシア、16.65%)
・ロスネフチ・アストラ社(ロシア 16.65%)
推定可採埋蔵量 ①石油    約4.53億トン
  天然ガス  約7,200億立方メートル
①石油    約1.67億トン
②天然ガス  約670億立方メートル
①石油 約1.682億トン
②天然ガス
    約2,580億立方メートル
開発の現状 99.4 生産物分与対象鉱区に認定
   (ただし、未だ生産物分与契約は締結
    されていない。)
02.9 テキサコが今後20年間で90億ドル
   の投資を検討していることが明らかに
   した。
04.1 ロシア政府が生産物分与協定対象鉱区
   から外し、入札が無効となった

09.6 ガスプロムが開発権を取得
93   開発権を入札、モービル
   (現エクソンモービル)とテキサコが落札
04.1 ロシア政府が生産物分与協定対象鉱区
   から外し、入札が無効となった
09.6 ガスプロムが開発権を取得
03  ロスネフチが地質調査の権利
  を取得
05.7 中国のシノペックと探鉱事業
   のための合弁企業を設立   

   地震探査調査を開始 


Gazpromは、LNG輸出事業の一環として、サハリンからハバロフスクを経由しウラジオストクに延びるガス輸送用パイプラインの敷設を進めている。プリゴロドノエに次ぐ国内2番目のLNGプラントをウラジオストクに建設し、LNGを輸出する計画である。

 


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