国際石油開発帝石、ロスネフチとオホーツク海北部大陸棚マガダン沖開発で協力協定を締結

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国際石油開発帝石(INPEX )とRosneftは5月29日、オホーツク海北部大陸棚に位置するMagadan-2 とMagadan-3 鉱区開発で協力協定を締結したと発表した。最終契約は年末までに締結する予定。

鉱区はマガダン沖約50ー150キロに位置し、水深約120 - 180 メートル、鉱区面積は28,082平方キロ。
2鉱区の推定可採埋蔵量は石油換算で15.77億トン(117億バレル)とされる。(地図に表示の数字は別)

両社で鉱区の開発及び生産にあたるJVを設立し、INPEXは33.33%を取得する予定。

INPEXはこの鉱区での地質探査の費用を全額負担する。これまでにRosneftが負担した開発費用を支払うほか、Rosneftがこの鉱区のライセンス取得のために支払った費用の33.3%も支払う。
更にINPEXは石油・ガスの発見ごとに一定のボーナスをRosneftに支払う。

この条件はINPEXにとって不利に思えるが、後記の通り、EniやStatoilも同様である。
2011年1月にBPが
Rosneftとグローバルな戦略的提携で合意し、ロシアの北極海大陸棚にある3つの鉱区の開発を決めた際にも、BPは1/3の出資で、開発コストの最初の20億ドルを負担することとなっていた。(TNK-BPの株主の反対でつぶれた)

Rosneftのセチン社長が同日、経済産業省を訪れて合意文書に署名した。
高原資源エネルギー庁長官は会談で「石油だけでなく深く幅広く連携していきたい。資源価格の安さも重要だ」と述べた。社長は「日本の事情はよくわかっている。是非良いパートナーになっていきたい」と応じた。

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Rosneftは深海での石油・ガス開発の技術を持たず、技術を持つ各社と相次いで提携している。

BP:2011/1/17  BP、ロシアのRosneft と戦略的提携  一旦破綻
  
2012/10/24  ロシアのRosneft、TNK-BPを買収         BPがRosneftに19.75%出資

ExxonMobil:2011/2/5  Rosneft、ExxonMobilとも海底油田開発で合意   サハリン1プロジェクトに次ぐ提携
                         2011/9/1    Rosneft、石油開発でExxonMobil と提携 BPとの提携破綻による

Eni

両社は2012年4月、黒海(Western Chernomorsky油田)、バレンツ海 (FedynskyとCentral Barents)での油田開発の戦略的協力協定を締結した。
推定可採埋蔵量は石油換算で360億バレル。

Eniは地質探査の費用を全額負担する。

Statoil:

両社は2012年5月、バレンツ海のPerseevskyとオホーツク海での油田開発の協力協定を締結した。
オホーツク海は
KashevarovskyとLisyanskyとMagadan 1(INPEX開発地域に隣接)の3か所。

Statoilは33.33%を出資、開発段階の費用 (2016~2021年にwildcat well 試験井を6本掘削)を全額負担する。

 

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RosneftのSechin社長は翌30日、北京で中国石油天然気集団(CNPC) 会長と会談、ロシア北極海の大陸棚などでの探鉱や生産など共同資源開発の可能性を話し合い、相互協力に関する合意文書に署名した。

対象となる地域は、バレンツ海とペチョラ海の大陸棚 (West Prinovozemelsky, Yuzhno-Russky、Medynsko-Varandeisky) と、Irkutsk地方、Krasnoyarsk地方、Nenets地方の陸上鉱区。


 

 

 

 

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