中国、遺伝子組み換え大豆の輸入を追加承認

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中国農業部は6月14日、数日前に3種類の遺伝子組み換え大豆の輸入安全証書を発行したことを発表した。
中国政府がアルゼンチンとブラジル産の遺伝子組み換え作物の輸入を許可したという報道に続くもの。

農業部の発表では、承認を受けたのは:
 CV127   BASF開発    イミダゾリノン系除草剤耐性 大豆
 MON 87701   Monsanto開発    チョウ目害虫耐性大豆
   MON 87701 x MON 89788
     (INTACTA RR2 PRO)
  Monsanto開発    上記と、除草剤グリホサート(Roundup)耐性ダイズの掛け合わせ


この発表はアルゼンチンとブラジルの発表と一部異なっている。
MON 87701の代わりに
Bayer CropScienceが開発した除草剤グリホシネート耐性Liberty Linkが入っており、アルゼンチンの場合はコーンも入っている。

アルゼンチンの農業大臣は6月8日、中国の農業部長(大臣)と北京で会談後、中国が新たに3種の遺伝子組み換え大豆と1種のコーンの輸入を承認したと発表した。

対象:CV127、PR2 PRO、Liberty Linkの各大豆と、1161という名前のコーン

ブラジル農業省は6月10日、中国がブラジルの3種の遺伝子組み換え大豆の輸入を認めたと発表した。
両国の農業大臣は北京で開催されている中国ーラテンアメリカ・カリブ海農業大臣フォーラムに出席していた。

対象:CV127、RR2 PRO、Liberty Link の各大豆

中国農業部によると、中国では既に下記の5種の遺伝子組み換え大豆の輸入が認められている。

GTS40-3-2  〔モンサント〕  除草剤Roundup 耐性 Roundup Ready 
MON89788  〔モンサント〕
  除草剤グリホサート(Roundup)耐性
A2704-12   〔Aventis Crop Science〕 除草剤グルホシネート耐性
356043  〔
DuPont-Pioneer ] 除草剤グリホサート及びアセト乳酸合成酵素阻害剤耐性
305423  〔DuPont-Pioneer ] 高オレイン酸含有

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農林水産省のレポート「中国における遺伝子組換え作物の導入と今後の見通し」によると、中国では非食糧では既に、トマト、綿花、ペチュニア、ピーマン、ポプラ、パパイヤなどの遺伝子組み換え作物の栽培が承認されている。

このうち、綿花については1998年に中国と米国(Monsantoの抗虫綿花MON531/757/1076)がそれぞれ開発した遺伝子組換え抗虫綿花の商業化生産を許可し、河北省などで試験栽培が始まった。

遺伝子組み換え抗虫綿花の栽培面積推移は下記の通りで、全体の80%近くにも達している。

栽培用ではなく、生産加工用としては、トウモロコシ、綿花、大豆、ナタネでの輸入が承認されている。

食糧作物では2009年に、10年を超える研究開発と試験段階を経て安全性評価の審査を通過した2種類の遺伝子組換え稲と1種類の遺伝子組換えトウモロコシが「農業遺伝子組換え生物安全証書」を取得した。
引き続き、商業栽培の審査プロセスに入っている。

抗虫稲「華恢1号」:華中農業大学
抗虫稲「Bt 汕優 63」:同上 (上記「華恢1号」と一般の「珍汕97A」を交雑したもの)
トウモロコシ「BVLA430101」:中国農業科学院生物研究所 フィターゼ挿入

フィターゼはフィチン酸からリン酸を切り離す酵素群。
豚、鶏ではフィターゼ産生菌をほとんどもたないため、植物性飼料原料に多く含まれているフィチン態リンを消化・吸収することができず、消化・吸収できなかったフィチン酸は、糞中に排泄され、環境汚染の原因となる。
フィターゼ挿入でフィチン酸のリン酸を切り離し、体内で吸収させ、排出させない。


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