韓国政府は7月8日、第1回国家科学技術審議会を開き、2017年までに科学技術の研究開発分野に92.4兆ウォン(約8兆1300億円)を投資することを柱とする
「第3次科学技術基本計画」を決定した。
64万人分の雇用を創出し、1人当たり国民所得3万ドル時代を実現することを狙う。
科学技術基本計画は科学技術基本法第7条に基づき、5年ごとに関係官庁の計画と施策を総合的に策定する科学技術分野の最上位の国家計画。
今回の5年間の予算は、前政権(68兆ウォン)より24.4兆ウォン上回る。
今後5年間の研究開発政策の基本となるもので、IT融合型の新産業、将来の成長動力創出、環境、高齢化対策、安全な社会構築という5分野で120項目の戦略技術を育成する。
主な内容は以下の通り。
分野 | 重点技術 |
IT融合型の新産業創出 | ・次世代の有線・無線通信ネットワーク技術(第五世代:5Gなど) ・先端素材技術、環境対策車技術 |
将来の成長動力創出 | ・太陽エネルギー技術、宇宙ロケット技術 |
クリーンで便利な環境づくり | ・水質・大気などの汚染物質処理技術 ・高効率エネルギービル技術 |
健康・長寿時代の実現 | ・ニーズに即した新薬技術、疾病診断バイオチップ技術 |
懸念なき安全社会の構築 | ・社会的災害予測・対応技術(原子力安全・環境事故など) ・食品の安全性評価・向上技術 |
計画の履行に向けては、以下の5大戦略を提示した。
・国家研究開発投資の拡大および効率化
・国家戦略技術の開発
・中長期にわたる創意力の強化
・新産業創出への支援
・雇用拡大
官庁別に見ると、
保健福祉部は先進国の10%のレベルにとどまっている医療技術を17年までに75%まで引き上げることを目標に掲げた。
農林畜産食品部は予算全体のうち、研究開発に関する予算の割合を昨年の5%から22年までに10%に拡充する。
未来創造科学部は2017年までに基礎研究の割合を40%まで拡大し、科学技術論文の引用索引インデックス(SCI)で引用上位1%に含まれる論文数を世界10位に引き上げるほか、最高水準の先駆的研究者100人を育成する。
未来創造科学部では、「過去の科学技術政策が技術開発と人材育成に焦点を合わせたのに対し、今回の基本計画は研究開発段階から新産業、雇用創出までを初めて含むもの」と説明した。
韓国の科学技術革新能力を現在の世界9位から7位に引き上げたいとしている。
参考 日本の科学技術基本計画
コメントする