中国商務省は7月1日、2013年下期のレアアース輸出枠を15,500トンにすると発表した。
2012年は下期に枠を大幅に減し、本年上期も前年同期比5千トン以上減らしたが、下期は上期と同量とした。
この結果、通年で31,001トンとなり、2012年の輸出枠30,996トンと同水準となる。
2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | |||
輸出枠 | 上期 | 軽希土 | 18,585トン | 13,563トン | |||
中重希土 | 2,641トン | 1,938トン | |||||
合計 | 21,728トン | 22,282トン | 14,446トン | 21,226トン | 15,501トン | ||
下期 | 軽希土 | 8,537トン | 13,821トン | ||||
中重希土 | 1,233トン | 1,679トン | |||||
合計 | 28,417トン | 7,976トン | 15,738トン | 9,770トン | 15,500トン | ||
年間 | 軽希土 | 27,122トン | 27,384トン | ||||
中重希土 | 3,874トン | 3,617トン | |||||
合計 | 50,145トン | 30,258トン | 30,184トン | 30,996トン | 31,001トン | ||
輸出実績 | 39,813トン | 18,600トン | 16,265トン |
レアアースの輸出実績は以下の通りで2003年をピークに減少しているが、2009年から急減している。
2009年に全国人民代表大会(全人代)に「レアアース生産・輸出の厳格な規制を求める建議」が提出された。
中国のレアアース生産量は2005年に世界の96%を占め、輸出量で世界一となったが、乱開発されており、無秩序な開発で採掘現場での回収率も低効率の状態にある。乱開発がこのまま続けば、20~30年で中国のレアアースは枯渇するとする。
2009/4/22 中国がレアアースの輸出を制限?
これを受け、2010年の輸出枠は前年比40%減となった。
更に、2010年9月の尖閣諸島での中国漁船衝突事件を受け、中国政府はレアアースの日本への輸出を事実上止めた。
2011年の輸出実績は輸出枠を大きく下回った。
この結果、輸出価格は急騰したが、日本企業はレアアースの使用を減らす技術の開発を強化した。さらに各国がレアアース採掘を始めたことで調達先が多様化した。
2012年の輸出枠 30,996トンに対し、実際の輸出量は16,265トンにとどまった。
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