METIは7月9日、平成25年度「アジア拠点化立地推進事業」の採択事業を決定したと発表した。
本事業は、グローバル企業による統括拠点又は研究開発拠点といった高付加価値拠点の国内立地の誘致のため、支援を行うもの。
日本を「アジア拠点」として復活させるため、横断的な事業環境整備と合わせて、高度人材等雇用への貢献度等と連動したアジア統括拠点・研究開発拠点等の誘致・集積を促すインセンティブ制度で、政府の新成長戦略(2010年6月閣議決定)に折り込まれた。
加えて、「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」(2010年10月閣議決定)でも、グローバル企業のアジア統括拠点・研究開発拠点の誘致の支援を通じたアジア拠点化を推進することとした。
日本国内の法人格を有し、2以上の国においてグループ会社が実態のある事業を営んでいる法人が、 日本における研究開発拠点、アジア本社機能を新たに新設する場合、プロジェクトのハード部分の整備(土地、施設、機材、設計料等)のコストのうち1/2(中小企業)~1/3を補助するもので、補助金額は上限10億円となっている。
過去及び今回の採択事業は以下の通り。
事業者名 | 本社国籍 | 整備する拠点 | 分 野 | |
2013年度 | Comverge Japan | 米国 | 研究開発拠点 | 電力デマンドレスポンス |
Siemens Japan | ドイツ | 研究開発拠点 | PET薬剤関連 | |
Nippon Busch | ドイツ |
統括拠点 研究開発拠点 |
真空ポンプ・システム | |
BASF Japan | ドイツ | 研究開発拠点 | 化学(バッテリー材料) | |
過去の実績 | ||||
2010年 | Salesforce.com | 米国 | 研究開発拠点 | ITサービス |
Zydus Pharma Japan | インド | 研究開発拠点 | 医薬品 | |
Dyesol Japan | オーストラリア | 研究開発拠点 | 次世代太陽電池 | |
Eurocopter Japan
T&E (2012/4 Eurocopter Japan ) |
フランス | 研究開発拠点 | 特殊用途ヘリコプター | |
Dou Yee International | シンガポール | 研究開発拠点 | 液晶ディスプレイ | |
2011年 | Sanofi Aventis (2012年 Sanofiに改称) |
フランス | 統括拠点 | 医薬品 |
3M Health Care | 米国 | 研究開発拠点 | ヘルスケア事業関連 | |
DSM Japan Engineering Plastics | オランダ | 研究開発拠点 | 化学品(プラスチック) | |
Cabot Microelectronics | 米国 | 研究開発拠点 | 電子材料(研磨剤) | |
NeoPhotonics | 米国 | 研究開発拠点 | 光通信機器 | |
みかど協和 (親会社:Vilmorin & Cie S.A.) |
フランス | 研究開発拠点 | 種苗 | |
Medasys Japan | フランス | 研究開発拠点 | 医療情報システム | |
Inteligent Energy Holdings | 英国 | 研究開発拠点 | 燃料電池 | |
Umicore | ベルギー | 研究開発拠点 | 工業化学品(触媒) | |
Volvo Technology | スウェーデン | 研究開発拠点 | 自動車関連技術開発 | |
2012年 | GE Japan | 米国 | 研究開発拠点 |
エネルギー(次世代エネルギー関連設備) ヘルスケア(医療用情報システム)等 |
Johnson & Johnson | 米国 | 研究開発拠点 | 医療機器 | |
Tenneco Japan | 米国 | 研究開発拠点 | 自動車部品(排ガス浄化装置等) | |
Faurecia Japan | フランス | 研究開発拠点 | 自動車部品(自動車用シート) |
今回の採択事業のうち、BASF Japanのバッテリー材料については、2月27日に同社が下記の発表をしている。
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BASF、尼崎研究開発センターを拡張し、バッテリー材料研究所を日本に新設
既存の尼崎研究開発センターを拡張し、 バッテリー材料に特化した研究施設「尼崎研究開発センター バッテリー材料研究所」を新設し、
2013 年内に本格的な業務開始を目指す。
同研究所では、 BASF
のグローバルな研究開発ネットワークの一部として、高性能バッテリー用の電解液と電極材料の研究に重点的に取り組み、日本のバッテリー業界へテーラーメイドのソリューションを提供する。
第 1 段階として、 2013年4月にバッテリー材料に特化した研究者が業務を開始する。2013年内には、尼崎研究開発センターを拡張し、新しいオフィスと研究所を新設し、本格的な稼働を予定している。総投資額は数百万ユーロ。
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