原発の新しい規制基準が7月8日施行された。
2013/6/21 原子力規制委員会、原発新基準を決定
初日は、北海道、関西、四国、九州の電力会社4社が、5原発10基について再稼働に向けた安全審査を国に申請した。
北海道電力の泊①②③、関西電力の大飯③④、高浜③④、四国電力の伊方③、九州電力の川内①②の10基である。
これに遅れ7月12日に、九州電力は玄海③④について申請した。これで合計12基となる。
このうち、高浜③④、伊方③、玄海③はプルサーマルを前提にしている。
東京電力は柏崎刈羽⑥⑦の申請を決めたが、新潟県知事の反対を受け、取りやめた。
申請した12基のうち、大飯③④について、規制委は敷地内の断層(破砕帯)が活断層かどうかの調査が完了していないことを理由に、「実質的な審査に入れない」としている。
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7月8日の毎日新聞は、「国内の原発を(1)運転期間(2)原発の型(3)原子力規制委員会が活断層リスクを検討しているか否か−−の三つの基準で分類すると、8日に申請した原発の特徴が一目で分かる」としている。
これをもとに整理すると、以下の通りとなる。
(1)運転期間については、原発の運転期間は原則40年とし、1回に限り20年を上限に延長できるが、規制基準に加え、機器の検査対象を拡大した「特別点検」を実施しなければならないとなっている。
今回申請したのは比較的新しいものである。
(2)原発の型では、加圧水型はフィルタ付ベントの設置が猶予されており、沸騰水型より有利である。今回の申請は全て加圧水型となっている。
申請を予定していた柏崎刈羽⑥⑦は沸騰水型で、フィルタ付ベントの設置が必須である。
東電では年度内にも完成可能としているが、安全協定書では「原子力発電施設及びこれと関連する施設等の新増設をしようとするとき又は変更をしようとするときは、事前に新潟県及び柏崎市及び刈羽村の了解を得るものとする」となっており、 この了解が得られておらず、工事に入れない。
(3)の活断層リスクについては、関電の4基以外は問題がない。
関電の大飯については、非常用取水路を横切る断層で意見が分かれており、規制委はこれがはっきりするまでは、「実質的な審査に入れない」としている。
高浜についても調査の必要性を検討中で、データ収集が必要とされている。
この結果、泊、伊方、川内、玄海が有利となる。玄海は申請が数日遅れたのがどう響くか。
なお、加圧水型で、かつ活断層リスクがないが、今回の申請に入っていないのは伊方①②と玄海①②の4基だが、これらは電源ケーブルの不燃化などが未完成のため。
古いことが共通。
付記 7月16日の安全審査初会合で下記を決めた。
審査体制は以下の通り。青字は優先審査。 各チームは約20人
Aチーム:伊方③、玄海③④、大飯③④ (大飯は活断層の結論待ち)
Bチーム:川内①②、泊①② (北海道電力、泊③優先審査を要請)
Cチーム:泊③、高浜③④ (規制委、高浜について活断層データ拡充を要求)
地震・津波チーム:全原子炉を担当
なお、規制委員会は原電敦賀②について活断層リスクを認定したが、原電は「活断層ではない」とする追加調査の結果を7月11日に提出し、改めて審議するよう求めた。40年を経過している1号機と合わせ申請準備をするとしている。
設置時期 | 沸騰水型(BWR) (フィルタ付ベント要) |
加圧水型(PWR) (フィルタ付ベント猶予) |
PT:プルサーマル | |||
活断層OK | 活断層調査 | 活断層OK | 活断層調査 | |||
35年未満 | 2009 | 泊③ | 泊①②は2014/3まで停止 (泊③の緊急対策所として使用) |
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2006 | 志賀② | |||||
2005 | 東通① 浜岡⑤ |
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2002 | 女川③ | |||||
1997 | 柏崎刈羽⑦ | 玄海④ | 東電が柏崎刈羽⑥⑦の申請を 決めるが、知事の反対で延期 |
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1996 | 柏崎刈羽⑥ | |||||
1995 | 女川② | |||||
1994 | 柏崎刈羽④ |
玄海③PT 伊方③PT |
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1993 | 浜岡④ 柏崎刈羽③ 志賀① |
大飯④ | (大飯) 非常用取水路を横切る断層で 意見分かれる。 → 審査後回し |
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1991 | 泊② | 大飯③ | ||||
1990 | 柏崎刈羽② 柏崎刈羽⑤ |
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1989 | 島根② | 泊① | ||||
1987 | 福島第二④ | 浜岡③ | 原電敦賀② | (敦賀) 活断層リスク認定 |
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1985 | 福島第二③ | 柏崎刈羽① | 川内② |
高浜④PT 高浜③PT |
(高浜) データ収集必要 |
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1984 | 女川① 福島第二② |
川内① | ||||
1982 | 福島第二① | 伊方② | ||||
1981 | 玄海② | |||||
1979 | 福島第一⑥ | 大飯② 大飯① |
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35年以上 | 1978 | 原電東海② 福島第一⑤ |
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1977 | 伊方① | |||||
1976 | 美浜③ | |||||
1975 | 玄海① | 高浜② | ||||
1974 | 島根① | 高浜① | ||||
40年以上 | 1972 | 美浜② | ||||
1970 | 原電敦賀① | 美浜① |
各原発の詳細については 別紙参照。
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