Amgen Inc.は8月25日、Onyx Pharmaceuticals Inc.(オニキス)を1株当たり現金125ドル、総額 104億ドル(Onyxの現金残を考慮すると実質97億ドル)で買収すると発表した。
がん治療の有望な新薬を持つOnyxを取り込み、同分野に進出する。
昨年承認を受けたOnyxのKyprolis(carfilzomib)は血液がんの一種である多発性骨髄腫の新薬で、アナリストによれば2021年までに30億ドル以上の売り上げが見込まれる。
OnyxはKyprolisの日本を除くグローバルな権利を持っており、米国では2019年までの独占的なorphan drug の指定を受けており、米国特許は少なくとも2025年まで有効である。
日本では小野薬品工業が2010年にKyprolisの全癌種を対象に独占的な開発・商業化の権利を取得している。
http://www.ono.co.jp/jpnw/PDF/n10_0908_2.pdf
また、Onyxは他に3つの癌関連の製品を持つほか、開発段階のものも多い。
・Bayerと共同販売している肝臓がんと腎臓がんの治療薬 Nexavar (sorafenib)
・Bayerが販売している結腸直腸治療の抗がん剤新薬 Stivarga (regorafenib)
・Pfizer, Inc.が開発する乳がん治療薬
Palbociclib
2013年4月にFDAがBreakthrough
Therapy(画期的治療薬)に指定。
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Onyx
は本年6月30日、Amgenから1株当たり現金120ドル(38%のプレミアム)での買収提案を受けていることを明らかにした。
同社の取締役会は財務と法律面のアドバイザーの支援を受けてこの提案を検討したが、この価格は低すぎるとし、株主の利益にならないとの結論となり、既にAmgenにこの決定を伝えたとしている。
Amgenや他の第三者からの買収提案を受けて、財務アドバイザーにOnyx買収に関心を持つ相手先との接触を任せた。
これを受け、AstraZeneca、Pfizer、Novaltis などが買収案を提示する準備を進めていると報じられた。
しかし、今回、Amgenが当初提示していた買収金額を引き上げる形で決着した。
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