主要企業の第1四半期決算

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主要各社の第1四半期の営業損益対比は以下の通り。(単位:億円)

全般に前期比では増益だが、前々期比ではマイナスとなっている。
信越化学はShintechの業績が好調なため前々期比でも増益となった。

旭化成も医薬・医療が大増益で、前々期に迫っている。

ケミカルでは 各社とも前期比では交易条件でプラスとなっている。
石化製品で原燃料価格上昇に伴う販売価格値上げを行っているが、コストアップ以上の値上げということではなく、値上げ時期のずれで当期は増益となったものと見られる。
当期は更に円安効果が大きい。

1)三菱ケミカルホールディングス 

  2011/1Q 2012/1Q 2013/1Q 前年比
 増減
 

増減内訳

売買差 数量差 コスト
 削減
受払差他
エレクトロニクス 1 -4 -12 -9 -7 -10 11 -2
デザインド 105 38 111 73 12 36 12 13
ヘルスケア 247 209 186 -23 -2 -8 2 -15
ケミカルズ 160 -77 -14 63 42 25 19 -23
ポリマーズ 109 6 -14 -21 -14 -1 10 -15
その -2 3 -5 -8   -6 2 -4
調整 -22 -19 -17 2        
合計 598 156 235 79 31 36 56 -44


2)住友化学

  2011/1Q 2012/1Q 2013/1Q 前年比
 増減
 

増減内訳

売買差 数量差他 コスト差
基礎化学 70 -25 -21 5 5 0 0
石油化学 58 1 21 20 45 -35 10
情報電子化学 41 12 100 89 -40 69 60
健康・納涼 81 65 81 16 -10 36 -10
医薬品 135 126 107 -19   -44 25
その他 12 12 9 -3   -3  
調整 -49 -60 -52 7   7  
合計 348 130 246 116 0 31 85

情報電子化学は、偏光フィルム需要増による販売増で増益となった。(売価はダウン)

 

3)三井化学

  2011/1Q 2012/1Q 2013/1Q 前年比 増減  

増減内訳

交易条件 数量差 コスト差
石化 60 35 71 36 54 -3 -15
基礎化学品 128 -8 -27 -19 -3 -9 -7
ウレタン -26 -2 -17 -14 -3 -3 -10
機能樹脂 20 27 37 11 6 14 -9
機能化学品 27 38 39 2 4 3 -6
フィルム・シート 17 -3 7 10 -1 2 9
その -7 -18 -18 -1      
合計 220 69 93 24 57 4 -38

石化の貢献が大きく、交易条件が54億円のプラスとなっているが、ポリエチレンで原燃料価格上昇に伴う販売価格上昇をあげている。

なお、昨年4月22日、岩国大竹工場のレゾルシンプラントで爆発事故が発生した。
   2012/4/24 三井化学大竹工場で爆発事故

昨年上期6か月の営業損益への影響は基礎化学品 -14億円、機能化学品 -4億円ほかとしている。


4)東ソー

  2011/1Q 2012/1Q 2013/1Q 前年比
 増減
 

増減内訳

交易条件 数量差 コスト差
石油化学 39 7 25 18 1 5 13
クロルアルカリ 15 -50 5 56 31 20 5
機能商品 45 24 36 12 14 1 -3
エンジニアリング -2 -1 -8 -7   -7  
その他 7 3 8 5   5  
合計 104 -18 66 84 46 24 15

クロルアルカリは生産再開で販売数量が増加した。
 2011年11月14日に南陽のVCM工場事故
 2012年5月に第一プラント、7月に第三プラントが再稼働


5)旭化成

  2011/1Q 2012/1Q 2013/1Q 前年比
 増減
 

増減内訳

売価差 数量差 コスト差
ケミカル 194 43 102 59 67 -1 -7
住宅 36 36 66 30 4 39 -13
医療・医薬 26 47 90 43 15 42 -14
繊維 14 6 22 16 18 2 -4
クリティカルケア   -5 -15 -10 2 9 -21
エレクトロニクス 48 -4 38 42 24 6 11
建材 2 5 13 8 1 2 5
その他 4 8 4 -4     -2
全社 -22 -29 -37 -8     -8
合計 302 107 283 176 130 97 -52

ケミカルは円安の効果とスチレンモノマーの市況改善で増益となった。


6)信越化学

  2011/1Q 2012/1Q 2013/1Q 前年比
 増減
塩ビ・化成品 61 99 169 70
シリコーン 92 75 70 -4
機能性化学品 35 39 31 -9
半導体シリコン 104 66 67 1
電子・機能材料 92 104 107 2
その他 17 18 11 -6
調整 -1 3 0 -3
合計 400 403 455 52

Shintech の塩ビが好調で、業績を大きく伸張させた。




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