Bayerは7月25日、CO2を原料にポリウレタン原料のポリオールを商業的に生産する計画を明らかにした。
ドイツのDormagenに製造設備を建設する計画をスタートさせた。2015年以降、特定の需要家に大量の製品を供給する。
生産能力は5~6千トン(several
thousand metric tons)の見込み。
今後、ライセンスも検討するとしている。
生産するのはポリエーテルカーボネートポリエーテルで、
温暖化の原因となるCO2を石油などの化石原料の代替とする。
同時に既存法と比較して経済的に有利なものであるとしている。
このポリオールとイソシアネート(TDI、MDI)とでポリウレタンフォームを生産する。
このプロジェクトは"Dream Production"と呼ばれ、Bayerは何十年もかけて探した結果、最適の触媒を見付け、産業界や学会のパートナーと協力し、製法を開発した。
CO2とアルキレンオキシドとを非結晶性の二重金属シアン化物(DMC)触媒の存在下で共重合するもの。
過去2年間テストを行い、Leverkusen
のBayerの本社工場につくったパイロットプラントでCO2を原料に少量のポリオールを製造した。
原料となるCO2は、エネルギー会社RWEのKölnにある発電所で発生したものを燃焼排ガスから取出し、輸送のために液化した。
この触媒は反応時のエネルギーを減らすのに貢献しており、大学による調査では、生産工程全体で省エネとなっており、排出するCO2も少ないとしている。
次のプロジェクトとして CO₂RRECTが進められている。
CO2と再生可能エネルギーを結びつけるもので、風力発電の余剰電力は蓄電できないが、これを電気分解に使用し、水素を生産し、これとCO2を原料としてポリカーボネートやMDIなどの合成樹脂を製造する。
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