パナソニック は、計画しているヘルスケア事業の一部売却で、米投資会社KKR
に優先交渉権を与える方針を固めたことが分かった。
関係筋によると、完全子会社 パナソニックヘルスケアの株式の大半を売却する方向で近く合意を目指し、詳細条件を詰める。
売却額は1500億円前後になるとの見方が多い。売却資金の一部は、社債償還などに充てることで一段の負債圧縮に寄与する見込み。
付記
パナソニックは9月27日、パナソニック ヘルスケアの全株式を、をKKRの関連投資ファンドが実質的に全株を保有するPHCホールディングスに1650億円で譲渡する契約を締結することを決めたと発表した。
パナソニックは、750億円の売却益を今期の営業外収益に計上する。
パナソニックはPHCの20%を引き受け、パナソニック ヘルスケアの20%を実質保持する。
引受額は未公表。
パナソニックは中期重点施策の一つとして、「脱・自前主義による成長・効率化」を挙げ、パナソニックヘルスケアへの外部資本導入を決めた。
パナソニックヘルスケアは着実に収益を上げているが、医療業界における知見が限定的で、グループとして十分な投資ができない中では、事業成長の可能性に限界がある。
同分野のノウハウと資金リソースを持ち、事業ビジョンを共有できるパートナーと手を組むことで、自前では難しい非連続な成長を目指す。パナソニックは一定の出資比率とブランドを維持し、同業界向けの販路としても活かしていく。
(このほか、本年3月にパナソニック ロジスティックスの株式の66.6%を日本通運に譲渡することで合意している。)
2013/3/28 新中期計画 2013年度事業方針
パナソニックは5月に1次入札を実施し、計10社程度が応札した。
8月26日の最終入札では、KKRのほか、米投資ファンドのBain
Capital(三井物産、日本政策投資銀行と連合)、東芝(米投資ファンドのCarlyle Groupと連合)の計3陣営が参加、このうちKKRが最も良い条件を提示した模様。
パナソニックヘルスケアは現在、診断薬、メディカルシステム、補聴器、画像診断のビジネスユニットを持つ。
このうち、補聴器事業については2014年3月末に家庭内ネットワーク技術や公共システムなどの情報通信技術を扱うパナソニック システムネットワークスに事業移管することが決まっている。
また、超音波診断機器関連事業をこれまで共同で開発を進めてきたコニカミノルタに譲渡することも決まっている。
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パナソニックヘルスケアの歴史は以下の通り。
当初はエレクトロニクスが中心であったが、2007年4月の改組でヘルスケアが中心となった。
1969/11 | 松下寿電子工業として発足 | |||||||||||
松下グループ内で「四国の天皇」とも呼ばれた稲井隆義(赤外線電気コタツの考案者)が四国で創業 | ||||||||||||
2002/10 | 株式交換により松下電器産業の完全子会社に | |||||||||||
2005/4 | パナソニック四国エレクトロニクスに改称 | |||||||||||
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2007/4 | 松下電器改組 | |||||||||||
・松下電器の社内分社である「ヘルスケア社」をパナソニック四国に統合 ・PC用光学ドライブ事業をパナソニック コミュニケーションズ(現:パナソニック システムネットワークス)に譲渡 |
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2010/4 | ヘルスケア事業のさらなる拡大に向け、ヘルスケア事業としての事業領域別体制に再編 | |||||||||||
・「デバイスプロダクツBU」「流軸モータBU」を統合し、「医療デバイスBU」 ・「補聴器 BU」を新設 ・「ビジュアルプロダクツBU」に、医療システム事業を加え、「医療機器・システムBU」 |
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2010/10 | パナソニックヘルスケアに改称 | |||||||||||
2012/1 | パナソニック改組 | |||||||||||
・パナソニックに新たな社内分社としてヘルスケア社を設立 ・三洋電機のバイオメディカ事業とメディコム事業はパナソニック ヘルスケアに統合 ・パナソニック電工四日市のFCメディカル事業をパナソニック ヘルスケアの医療機器・システムBUに統合 ・パナソニック ヘルスケアの医療デバイスBUを医療機器・システムBUに統合 |
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* 補聴器と超音波診断は今後売却 | ||||||||||||
現状 |
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(決定済) | ||||||||||||
2014/1 | 超音波診断機器関連事業をコニカミノルタに譲渡 | |||||||||||
2014/3 | 補聴器事業をパナソニック システムネットワークスに事業移管 |
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