Lanxessは9月18日、「差別化と効率化」と題するアナリスト向けの説明会を開催し、厳しい経営環境に対応するため、包括的な経営効率化プログラムの実施を発表した。(説明会資料)
現在、特に合成ゴム事業は、一時的な需要低迷に加えて、市場における競争の激化、原料価格の大幅な変動といった厳しい環境下にあり、2013年のEBITEDA(税引前利益+特別損益+支払利息+減価償却費)は 700-800百万ユーロに低下する見込み。
CEOは説明会で、「現状を考慮すると、直ちに対策をとる必要がある。Lanxessは、厳しい市場環境の中で、事業経営を堅実に展開してきた実績がある。持続可能な収益性の高い成長を可及的速やかに回復させるため、あらゆる必要な措置を講じる」と述べ、以下の対策を挙げた。
- 2015年度以降、年間1億ユーロの経費削減
- 業務効率向上と的を絞った事業再構築
- 非中核事業においては戦略的見直しを実行
- 重要な製造能力増強プロジェクトは予定通り遂行
- 今後の買収は、アドバンスト中間体とパフォーマンスケミカルズの両部門に注力
具体的対策として、"Advance" Program と名付ける効率改善及び事業再構築策を実施、2015年以降、年間1億ドルの採算改善を行う。
・人員削減(2015年末までに全世界で1000人削減)
・全世界で管理部門の縮小
・事業縮小(ゴム薬品BUで南アフリカの拠点を閉鎖し、ベルギーでの事業を縮小済)
・ノンコア事業の廃止(下記)
Lanxessは、現行の3部門14ビジネスユニット体制を継続するが、そのうちの特定の非中核事業においては戦略的な見直しを推進する。
対象となる非中核事業は下記の通りで、総売上高 約5億ユーロ、特別項目調整前EBITDA 約3,000万ユーロで、従業員約1,000名が従事している。
1)High Performance Materials BUのPerlon-Monofil business
ポリアミド、ポリエステルのモノフィラメント製品で、Perlon®、Atlas® 、Bayco®の名で売られており、製紙機械、衣料、農業、スポーツフィッシング、ロープ及びケーブル、スポーツ用品に使用される。
2)Rubber Chemicals BU の促進剤および老化防止剤製品群
3)High Performance Elastomers BUのニトリルブタジエンゴム
「これらの各事業は、各市場で有利な地歩を占めるが、別企業の下でのほうが将来的に一層発展できると考える」としている。
中長期にわたるポートフォリオ管理活動の一環としては、ランクセスは主に、Advanced IntermediatesおよびPerformance Chemicalsの両部門を強化し、それによりグループの構造がさらに多様化する買収を目指していくとしている。
なお、戦略的成長計画については、全て予定通り進んでいる。
本年の投資額は6億ユーロに削減したが、戦略的計画については削減していない。
・ブチルゴムのグローバル供給体制
・シンガポールのグリーンタイヤ用ネオジウム触媒ポリプタジエンゴム(Nd-PBR)計画
・中国EPDM計画
・ポリアミドチェーン(アントワープに世界規模のポリアミドプラスチック製造プラントを新設)
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