LG化学のミシガン州のリチウムイオン電池工場、生産開始2か月で停止

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本年7月にようやく稼働したLG化学子会社 Compact Powerのミシガン州Hollandのリチウムイオン電池工場が9月に入り生産を停止した。6週間程度止まると見られている。

LGは以下の通り説明している。

米国での商業生産開始の前に使用する原料をEPAに登録する必要があるが、製造に使う非常に少量の原料(名前は開示できない)について登録されていない可能性があることが判明した。

現在、登録状況をチェック中で、問題の早期解決のためEPAと協議している。
登録されていることを確認するか、又は承認を取得するまで、約6週間、生産活動を止める。

生産は止めるが、従業員のレイオフはしない。
改善工事や特別訓練、メンテナンスなどを行う。

直ぐに生産を再開できると自信をもっている。

EPAは9月6日、LGがどんな原料を使っているかを確認するため、本年7月にLGに対し原料リストの提出を命じたことを明らかにした。

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米政府から151百万ドルの補助金を受け、2010年7月の起工式にはオバマ米大統領が出席した、LG化学子会社 Compact Powerのミシガン州Hollandのリチウムイオン電池工場は、当初、2012年に稼動し、2013年末までに"Chevy Volt"ベースで6万台分を生産する予定であった。

しかし、電気自動車が不振で、GMは2012年に「Volt」を5万台売るという目標を設定したが、2012年10月までの販売台数は2万台弱に止まっていた。

このため、LGは工場完成後も生産開始を行わず、 韓国からのリチウムイオン電池輸出を続けた。

2013年2月にエネルギー省のInspector General (監察官)はLG Chem とエネルギー省職員を非難する報告書を発表した。

これを受け、エネルギー省はLGに対し補助金のうち、 842千ドルの返還を命じた。

2013/2/15   LGの米リチウムイオン電池工場への批判 


LGは2013年7月になって、Holland工場でリチウムイオン電池の製造を開始した。
5月に製造部品承認プロセス(Production Part Approval Process)が完了して需要家GMの承認を取得、その後、GMと共同で"pre-production testing"も終えた。

生産を開始しても、リチウムイオン電池はsettling period (「エイジング検査期間」:バッテリーを一定期間放置し、沈殿物の有無で不純物の混入を確かめる検査の期間)が必要なため、最初の出荷は9月終わりか10月初めの予定となっており、GMの工場にはここからの出荷はまだ行われていない。

生産ラインは3ラインで、2015年9月までに更に2ラインを追加する。


 

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