カナダのシェールガス輸入で閣僚協議

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安倍首相は9月24日、カナダでStephen Harper 首相と会談し、シェールガスのカナダから日本への輸出を早期に実現するため、両国の閣僚レベルの協議を開始し、資金協力の枠組みの構築など、環境整備を図っていくことで合意した。

安倍首相は「低廉で安定的な天然ガスを輸入したい。輸出計画の早期承認をお願いしたい」と述べた。
Harper 首相は「エネルギー問題で両国は補完的な関係にあり、協力を進めたい。輸出の承認に向けたハードルはそんなに高くない」と応じた。

米国ではFTA非締結国向けのLNG輸出に制限があるが、カナダの場合はLNGの輸出制限の動きはない。
(既に、三菱商事参加の計画とApacheとChevronの計画は輸出ライセンスを得ている。)

米国の東海岸、メキシコ湾岸からのLNG輸入はパナマ運河経由で約20日かかるが、カナダ西海岸の場合、約10日で運べる。
日本向けLNG運賃は以下の通りで、米国Gulf Coastの場合の半分で、豪州からとほぼ同じである。

  Kitimat(カナダ西海岸)   1.24 $/百万BTU 
  US Gulf Coast        2.96  
  Cove Point(東海岸)   3.07  
         
  Gordon(豪)   1.17  
  Gladstone(豪)   1.21  
  Ichthys(豪)   1.23  
    資料:Platts LNG Forum, Tokyo 2012/9/25  

日本企業のカナダのシェールガス関連事業は下記の通り。

  立地 権益比率  
三菱商事 British Columbia
 
Cordova堆積盆地
Penn West Energy 50%
Cordova Gas Resources 50%
(三菱商事 70%、
 中部電力・東京ガス・大阪ガス・
 JOGMEC 各7.5%)
目標(2014年)
日本側持分でLNG換算約350万トン/年
北米市場で外販
日本向け輸出も
2010/8/26 三菱商事、カナダのシェールガス開発プロジェクトに参画
2011/5/14 
中部電力ほか、カナダシェールガス開発プロジェクトに参加
British Columbia
 
Cutbank Ridge
三菱 40%、Encana 60% 今後10年の間に
約2,250万トン/年の生産を目指す
日本向け輸出も
2012/2/21 三菱商事がカナダのシェールガス開発に参加
2012/8/17
    国際協力銀行、三菱商事のシェールガス事業に融資
British Columbia
   Kitimat港
Shell   40%
三菱商事 20%
Kogas  20%
PetroChina 20%
LNG輸出基地を共同開発
液化設備   600万トン/年x2=1,200万トン
将来的な数量拡張の可能性
生産開始   2010年代末
輸出ライセンス   2013年2月4日
25年間で670百万トン
2012/5/17   Shell、三菱商事等の「LNG Canada」計画
国際石油開発帝石
(INPEX)
British Columbia
 Horn River
 Cordova
 Liard
Nexen 60%
INPEX Gas 40%
  (INPEX 82%
   日揮 18%)
 
 https://www.knak.jp/blog/2011-11-3.htm#inpex
出光興産 カナダ西海岸 出光興産 50%
AltaGas 50%
LPGのアジア向け輸出・販売の共同事業のFS
天然ガスの液化設備建設のFS
天然ガスは市場から調達
(輸送は AltaGas Pacific Northern GasのPipeline利用)
早ければ2016 年に年間60~70万トンのLNG輸出・販売
2013/2/1   出光興産、LNGのアジア向け輸出共同事業でパートナーシップを締結
石油資源開発
(JAPEX)
British Columbia 州
 North Montney
Petronas 90%
JAPEX 10%
シェールガス開発・生産
現在、Petronasが天然ガスを生産
 AECOハブ(西カナダの主要ガス市場)で販売中。
British Columbia 州
 Prince Rupert
   Lelu島
Pacific Northwest LNG Project(生産量1,200万トン/年)
LNG 120万トン/年を引き取る権利取得
2018年末に生産開始の予定
                                           2013/3/7 石油資源開発、カナダのシェールガス開発計画及びLNG計画に参画



AltaGas Pacific Northern Gasのパイプライン(稼働中)
  Summit LakeとPrince Rupert 港、途中からKitimat港
Apache
Chevron
Summit LakeからKitimat港まで直接結ぶパイプライン(Pacific Trail Pipelines )計画

Kitimat LNG輸出ターミナル計画とPacific Trail Pipelines計画
  
KitimatのLNG輸出ターミナルは年産5百万トンでスタート、10百万トンまで拡張可
  稼働開始は2015年
  カナダ政府から年間10百万トンのLNG輸出ライセンス

  いずれも 2013/2/1 出光興産、LNGのアジア向け輸出共同事業でパートナーシップを締結 に付記

 

 

 

 

 


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