DIC、絵画売却で特別利益計上

| コメント(0) | トラックバック(0)

DICは10月4日、運営するDIC川村記念美術館で1990年5月の開館以来、展示してきたBarnett Newman作の絵画「アンナの光」を売却すると発表した。海外の企業(社名は非公示)から同作品購入の意向が示された。

譲渡益は手数料控除後で103億円で、特別利益として計上する。税引後の当期利益で64億円の増となる。

同社では、経営ビジョン「Color & Comfort by Chemistry(化学で彩りと快適を提案する)」の実現に向けた経営を推進するにあたって、財務体質の強化を図りつつ、今後の持続的成長のための合理化や成長分野への投資を行っていくことが重要課題であると認識しており、同作品の譲渡により得られる資金を活用し、積極的かつ迅速にこのような取組みを進めていく。

DIC川村記念美術館については、これまでの運営方針に変更はないとしている。

ーーー

Barnett Newman(米、1905~1970)は現代抽象表現主義の代表的作家。

アンナの光("Anna's Light")はニューマンが63才の時に手がけた作品で、制作の3年前に亡くなった母の名にちなんで名付けられた。

ニューマンが制作した絵画の中で最大のサイズ(276.0 x 611.0cm)を誇る。桁外れに大きな画面は赤い絵具で被われており、最初はローラーで、次いで刷毛で、幾層かに塗り重ねられている。

DIC川村記念美術館は、DIC創業者・川村喜十郎をはじめとする川村家3代の収集品を公開するため、1990年に川村記念美術館として開館、2011年にDIC川村記念美術館に改称した。 千葉県佐倉市郊外のDICの総合研究所に隣接する。

17世紀のレンブラント、19世紀のルノワールらフランス印象派を経てシャガール、ピカソに至る西洋近代絵画、ニューマン、ステラなどの現代美術に加え、尾形光琳、長谷川等伯らの日本美術まで幅広いコレクションを展示している。

収蔵品にはレンブラントの「広つば帽を被った男」、モネの「睡蓮」、ルノワールの「水浴する女」や長谷川等伯の「烏鷺図」(重要文化財)などがある。(主なコレクション

ーーー

2007年5月にSotheby'sのオークションで、米抽象画家マーク・ロスコ(Mark Rothko)の絵画が現代アートにおけるオークションとしては史上最高額(当時)の7,280万ドルで落札された。

DIC川村記念美術館にはMark Rothkoの〈シーグラム壁画〉と呼ばれるシリーズのうちの7点がある。


DIC川村記念美術館が所有する絵画の含み益の合計はどれ位あるのだろうか。

 

 

トラックバック(0)

トラックバックURL: https://blog.knak.jp/knak-mt/mt-tb.cgi/2326

コメントする

月別 アーカイブ