人民元の対ドル相場が上昇している。
このところ、基準値の
±1.0%の変動幅の上限で推移し、終値はほぼ毎日最高値を更新、一時高値も更新している。
10月25日の終値は1ドル=6.0840人民元で前日比若干の元安となったが、一時6.0802人民元で最高値を更新した。
これは人民元弾力化前の2010年6月18日の終値に対し、12.24%のアップとなった。
人民銀行も短期的には元高を容認している模様で、基準値を順次引き上げている。
心理的な節目とされる1ドル=6.00人民元を突破する可能性も出てきた。
基準値 下限 上限 終値 2010/6/18比 一時高値 10/14 6.1406 6.2020 6.0792 6.1079 11.76% 6.1073 10/15 6.1412 6.2026 6.0798 6.1026 11.86% 6.1007 10/16 6.1408 6.2022 6.0794 6.0995 11.91% 6.0965 10/17 6.1431 6.2045 6.0817 6.0982 11.94% 6.0950 10/18 6.1372 6.1986 6.0758 6.0968 11.96% 6.0915 10/21 6.1352 6.1966 6.0738 6.0925 12.04% 10/22 6.1395 6.2009 6.0781 6.0935 12.02% 10/23 6.1330 6.1943 6.0717 6.0835 12.21% 10/24 6.1335 6.1948 6.0722 6.0820 12.24% 6.0808 10/25 6.1333 6.1946 6.0720 6.0840 12.20% 6.0802
青字は記録更新
最近の人民元高には以下の点が背景にある。
1)米国の量的緩和の早期縮小がなくなったとの観測
米国の量的緩和が年内にも縮小されるとの予想で中国やインドなど各国からドルが引き上げられ、インドのルピーなど各国通貨は大幅に下落した。
しかし、最近では来年3月以降との観測が浮上、このため、ドルが再び各国に流入している。
2)中国経済への悲観論の後退
本年3QのGDPは7.8%となり、上昇に転じた。
中国の製造業活動を測る10月の中国製造業購買担当者指数(PMI)も市場予想を上回る上昇を示している。
購買担当者指数(PMI)は国際的に用いられている経済指標の1つで、「新規受注」、「生産高」、「雇用」、「供給者の納期」、「購買品在庫」の 5 項目について企業からの回答を集計し、各指数を加重平均したもの。
香港上海銀行(HSBC)が10月24日に発表した今年10月の速報値は50.9ポイントで、過去7カ月間で最も高い数字となり、3カ月連続での50ポイント超えにもなった。
個別指数をみると、生産指数が51ポイントで前月の50.2ポイントを上回り、6カ月ぶりの高い水準となった。
新規受注指数と雇用指数は過去7カ月間で最高だった。新規輸出受注指数は2カ月連続で50ポイントを上回った。
在庫の調達指数は今年1月以降で初めて50ポイントを上回り、調達価格指数と生産価格指数はどちらも低下した。
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