米議会の上・下院は10月16日深夜、米政府の債務上限を来年2月7日まで引き上げ、政府の一部閉鎖も解消する法案を可決した。
米政府の債務不履行(デフォルト)がギリギリで回避された。
オバマ大統領は16日夜にホワイトハウスで記者団に対し、「与野党の指導部が合意に至ったことに感謝している。法案が届けば即座に署名し、すぐに政府を再開させる」と語った。
法案の骨子は以下の通り。
・米政府の国債発行を2014年2月7日まで認める。
最終的には債務上限の引き上げ期限を3月ごろまで先送りできる可能性がある。
・2014年1月15日まで政府を動かせる暫定予算を認め、政府機関の一部閉鎖をすぐに解消する。
・「医療保険改革法」(オバマケア)で補助金の受給者の所得確認を厳格化する
共和党強硬派のTea Partyは妥協として正副大統領や連邦議員、議会スタッフらを補助金対象から外すことを求めたが、盛り込まれなかった。
与野党は同時に、年金など社会保障制度の見直しや税制の抜本改革といった中長期の財政再建計画を話し合う超党派の協議機関を立ち上げることも決めた。12月13日までに結論を出し、来年1月15日以降も政府機関を運営させる予算措置に反映させる。
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先ず上院が法案を賛成多数で通した。(上院議長は副大統領、投票せず)
議席数 賛成 反対 同一
会派民主党 53 54 0 無所属 2 共和党 45 27 18 合計 100 81 18
下院では共和党のベイナー議長が、共和党のマジョリティが賛成しない法案は進めないという非公式のルールに反し、上院の合意を容認する意向を表明した。
上院が可決した法案を修正せずに同日中に下院も採決した。
投票結果は以下の通りで、賛成多数となった。
議席数 賛成 反対 民主党 200 198 0 共和党 232 87 144 合計 432 285 144
共和党の首脳は敗北を認めた。
政府機関の閉鎖が長引き、債務不履行の恐れが強まり、共和党の強硬姿勢に世論の批判が集中した。
米政府が債務不履行に陥れば来年の中間選挙への影響も避けられず、強硬姿勢をこれ以上続けることは得策ではないとの判断に傾いた。
背景 2013/10/1
米国、予算成立せず、政府機関を一部閉鎖
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