オリンパスは11月18日、テルモから受けていた66億円強の損害賠償請求に対し、60億円を支払うことで和解したと発表した。
オリンパスは「和解で早期に解決することが最善の策と判断した」と説明している。
テルモは過去に第三者割当増資で引き受けたオリンパス株
681万株について、2011年に発覚したオリンパスの粉飾決算事件後に株価が急落し、損失を被ったとして賠償金を請求していた。
オリンパスは2013年4~9月期決算でテルモへの和解金を訴訟損失引当金として特別損失に計上している。
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テルモとオリンパスは2001年4月25日、医療機器分野における開発、製造、販売等に関し、包括的な業務提携基本契約を締結した。
両社は2005年8月、業務提携の強化に合意した。
両社はまた、この業務提携強化を経営レベルで推進するため、その裏付けとして両社間の資本提携を行うこととした。
テルモ:オリンパスの6811千株 2.51%
オリンパス:テルモの4715千株 2.20%
更に両社は2006年12月に、共同事業に関して合意、2007年4月にオリンパス バイオマテリアルにテルモが参加し、オリンパス テルモ バイオマテリアルとした。
2012/1/19 オリンパスとテルモ
テルモは2005年8月にオリンパスと資本提携を行った際、総額149億9782万円の第三者割当増資を引受けた。
しかし、オリンパスの過去の損失先送り問題により第三者割当に係る有価証券届出書等
に重要な事項に係わる虚偽記載があったことが判明した。
テルモは2012年7月、 これによる株価の低下で、66億1167万円の損害が発生したとして、損害賠償の請求を行った。
2012年に、オリンパスが他社との資本・業務提携によって再建を目指す方針を固め、国内外の5社(ソニー、パナソニック、富士フイルム、テルモ、韓国 サムスン電子)を軸に提携先の検討を進めていると報じられたが、このなかにテルモも含まれている。
テルモは損害賠償請求の直前に、オリンパスに対し、500億円の資本提携と将来の共同持ち株会社の設立に向けた統合協議委員会の立ち上げを提案している。
この統合が実現すれば、グローバル医療の潮流である低侵襲治療において、世界で伍していけるリーディングカンパニーになれるとしている。
統合提案は、オリンパス社が各分野において他社と最適な事業・技術提携ができる内容となっている。
統合提案と同時に訴訟を行ったのは、虚偽記載による民事責任が、効力発生から7年が経過する2012年8月3日頃には権利が消滅してしまうことに
よるもので、「株主への責任を全うするというガバナンスの観点から、やむを得ず提訴した」としていた。
テルモは「本訴訟が、オリンパスに対する統合提案に何ら影響を与えるものではない」とのコメントを発表した。
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ソニーとオリンパスは2012年9月28日、資本業務提携すると発表した。ソニーがオリンパスに500億円を出資し、11.46%を持つ筆頭株主になる。
事業内容:
(2) 手術室等向けの医療機器・映像機器の統合ソリューション事業 など
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