LG Chem は12月18日、3億ドルを投資し、2015年9月までに粗アクリル酸と高吸水性樹脂(SAP)を増設すると発表した。
同社の年産能力は、粗アクリル酸が8万トンから51万トンに、SAPが16万トンから36万トンに大きく増加する。
同社によれば、粗アクリル酸の市場は年率6%の伸びが期待され、2002年の440万トンが2017年には590万トンになると見ている。
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他方、韓国のSK Global Chemical も蔚山にアクリル酸工場を建設する計画を進めていると報じられている。
報道では、三菱化学がアクリル酸とアクリル酸エステルの生産技術ライセンスをSK Global Chemical に供与することで交渉しているとされる。
三菱化学は2013年3月29日、SAPを製造・販売するサンダイヤポリマーの持株全てを譲渡し、合弁事業を解消すると発表した。
持株40%のうち、30%を豊田通商に、10%を三洋化成に譲渡する。2013/4/1 三菱化学、高吸水性樹脂事業から撤退
これにより、三菱化学は特定企業に縛られずに海外でアクリル酸を事業展開できる体制を整えたこととなる。
SK Global Chemical の計画では、蔚山に年産16万トンのアクリル酸のプラントを建設する。
今後、SAPへの進出も検討する。SKでは中国や東南アジアや他の開発途上国でのSAPの需要が高い伸びを示していると述べている。
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2012年6月の日本触媒の会社説明会資料では、世界のアクリル酸の能力は500万トン超、SAPは200万トン超としているが、その後、各社の増強計画が続いている。
各社の増強計画の詳細については下記を参照。
アクリル酸 2011/4/6 日本触媒、インドネシアでアクリル酸と高吸水性樹脂を増強
SAP 2011/8/4 日本の各社、高吸水性樹脂を増強
なお、日本触媒・姫路製造所は2012年9月29日に爆発事故を起こしたが、2013年12月18日に対象168施設のすべてについて、一時使用停止命令が解除され、稼働を再開できることとなった。
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