東邦チタニウム、サウジでスポンジチタンの製造販売JV

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東邦チタニウムは1月22日、サウジでスポンジチタンを製造販売するJVを設立する基本合意の覚書を締結したと発表した。

JVの相手は、サウジの酸化チタンメーカーのCristal(The National Titanium Dioxide)とその親会社のTasnee(The National Industrialization Company)で、Yanbu 工業団地のCristal の酸化チタン工場の隣に、年産15,600トンのスポンジチタン製造工場を建設する。
投資額は約420 百万米ドルで、2016年末の完成を目指す。

JV名:未定
株主:東邦チタニウム 35.0%
             Cristal  32.5%
             Tasnee 32.5%

原料の四塩化チタンは隣接するCristalの酸化チタン工場から安定的に供給を受ける。
東邦チタニウムのスポンジチタン製造における先進的な技術の供与と、サウジアラビア国内の安価な電力代により、世界的に卓越したコスト競争力を有する。

製造したスポンジチタンは、Cristal を通じて湾岸協力会議加盟国内での淡水化プラント、発電所、化学プラント等の一般工業向け需要へ販売するとともに、東邦チタニウムが同社の顧客の需要に向けても販売する。

当事業は、日サ両国政府が推進する「日本・サウジアラビア産業協力事業」(実施機関は中東協力センター)の支援対象となって いる。

東邦チタニウムは、永年に亘りサウジアラビアにおける知見・信頼関係を培って いるJXグループの支援を受けつつこれらを最大限活用し、当事業を推進する。(東邦チタニウムにはJXホールディングスが50.31%出資している。)

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スポンジチタンは多孔質の中間原料で、管や板の形に加工してプラントの熱交換器などの素材になる。

東邦チタニウムの製法は、生成したスポンジチタン中に含まれている金属マグネシウム及び塩化マグネシウムを分離除去するために高真空蒸留法を採用しており、高品質のスポンジチタンが得られる。

製造工程は以下の通り。

(1)塩化:チタン鉱石(ルチル)の中の酸化チタンを塩素ガスと反応させて四塩化チタン(TiCl4)を製造。

(2)蒸留:四塩化チタンを蒸留により精製

    ガス状の四塩化チタンを冷却して液状にした後、高温で酸素と反応させ、
         
塩素ガスを分離すると酸化チタンとなる。

(3)還元・分離:精製された四塩化チタンに溶融金属マグネシウムを反応させ,多孔質で塊状のスポンジチタンを製造。

 

 

なお、酸化チタンの製法には上記の塩素法のほかに、硫酸法がある。欧米では塩素法、日本では硫酸法が主流である。

硫酸法は原料(イルメナイト鉱石)を濃硫酸に溶解させ、不純物である鉄分を硫酸鉄(FeSO4)として分離し、一度オキシ硫酸チタン(TiOSO4)にする。これを加水分解し、沈殿したオキシ水酸化チタン(TiO(OH)2)を洗浄・乾燥し、焼成することによって酸化チタンを得る。


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National Titanium Dioxide  (Cristal) 世界第2位の酸化チタンメーカーで、Tasnee66%、湾岸6カ国が均等出資する Gulf Investment CorporationGIC33%出資している。残り1%は個人投資家。

Yanbu Al-Sinaiyah 工場で酸化チタンを1991年から生産しており、2002年に3万トン増強して10万トンになった。設計能力は18万トン。

2007年5月にLyondell から酸化チタンメーカーMillennium Inorganic Chemicals を負債込み12億ドルで買収した。

生産能力は67万トンで、米国に2箇所(Ashtabula, OH と Baltimore, MD)、ブラジル(Salvador, Bahia)、英国(Stallingborough)、フランス(Thann)及び豪州(Bunbury)に工場を、ブラジルのParaibaにチタン鉱山を持つ。

2007/3/5 Lyondell、酸化チタン事業をサウジ社に売却

2008年には豪州の鉱山会社 Bemax and International Titanium Powder を買収、Cristal Miningと改称した。
leucoxene、rutile、zircon などを生産する。




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