ビール世界最大手のAnheuser-Busch InBev(AB InBev)は1月20日、過去にいったん売却した韓国ビール最大手のOBビール(Oriental Brewery) を再買収することで合意したと発表した。
OBビールを同社の株主のKKR とAffinity
Equity Partnersから58億ドルで買収することで合意した。
AB InBevは2009年に18億ドルで売却しており、5年前の売却時の3.2倍に相当する金額で買い戻すことになる。
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OBビールはアジア通貨危機の1998年にベルギーのInterbrew が斗山グループから買収した。
2004年にベルギーのInterbrew とブラジルのAmBev が合併してInBev となった。
InBev は2008年11月に、Budweiser で知られる世界3位のAnheuser Busch を520億ドルで買収し、AB InBevとなった。
AB InBev はこの合併後の資金不足を解消するため、2009年7月にOBビールを18億ドルで売却した。
当時、アサヒビールが韓国ロッテグループと組み、買収に乗り出したほか、韓国の国内外の酒類メーカーやプライベートファンド約10陣営が名乗りを上げた。
売却に当たり、AB InBev は持分を再び買い入れるコールオプションを得ており、その契約満期は2014年7月となっていた。
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その後、AB InBevでは財務体質が改善したのを受け、買収を進めており、昨年にはメキシコのGrupo Modelo を201億ドルで買収している。
他方、OBビールは2009年の売却後、市場シェアも2009年の40%から60%となり、利益も倍増、2011年にハイト真露を抜き韓国最大手となった。
また、韓国のビール市場は2009年から12年までが毎年約2%のペースで成長している。
このため、AB InBevはアジア事業を強化するため、高値での買い戻しも妥当と判断した。買収には手元資金を使うとしている。
同社のCEOは「OBビールを通じ、急速に成長するアジア太平洋市場での地位をさらに強化したい」と述べた。
アナリストは、同社はOBビールの売り上げ増に加え、BudweiserやCoronaなどの製品の韓国での売り上げ増を狙っているとみている。
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