Braskemは2013年12月17日、SolvayからSolvay Indupa の70.59%の持ち株を290百万米ドルで買収する契約を締結したと発表した。
政府の認可を得た後、TOBを行い、一般株主の残り持ち株を買い取り、100%子会社にする。
2013/12/23 Braskem、SolvayからSolvay Indupa を買収
しかし、アルゼンチンの証券取引委員会は2014年1月3日、買取価格が公正な市場価格より低いとして、これを認めないと発表した。
Braskem のオファー価格は1株1.35 ペソだが、2013年9月末の会社の簿価は1株2.81ペソ、2013年第4四半期平均株価は3.92ペソ、最終取引価格は5.70ペソであったとしている。
Solvay Indupaの一般株主のうちには、アルゼンチンの国家年金基金(ANSES)(持株比率 16.71%)がある。
Solvay Indupa 株式の推移を見ると下図の通りで、2013年7月までは殆ど取引がなく、1月から7月末までの平均株価は1.57ペソであった。
しかし、8月に入り売買株数は急増し、株価も高騰している。
昨年12月17日の終値は5.70ペソで、この日に1株1.35 ペソでの買収が発表された。12月18日から本年1月3日までは取引がなく、1月6日の終値は3.46ペソに下がった。
Solvayは今回の売却発表にあたり、Solvay Indupaは同社にとって2012年第4四半期以降、売却対象資産であったとしているが、昨年8月からの株価高騰は、Braskemへの売却交渉の情報が漏れたためかも分からない。
証券取引委員会としてはこの異常な価格の方を調査すべきではなかろうか。
Solvayの1月9日の発表では、Braskemは2つの公正意見書に基づいて1.35ペソをオファーしたとだけ述べているが、この価格で合意し、外部に発表していることから、Solvayとしては妥当な価格と判断したと思われる。
Solvayによると、Braskemはアルゼンチンの証券取引委員会と本件について協議している。価格見直しの可能性がある。
一方で、ブラジルとアルゼンチンの公正取引委員会に申請が行われている。
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