後発医薬品メーカーのActavis Inc.は2月18日、米国の特殊医薬品会社Forest Laboratories, Inc. を買収すると発表した。
買収総額は250億ドルで、先週末終値に比べ25%のプレミアムを上乗せした。
今回の買収によりActavisは、Forestが持つアルツハイマー病治療薬「Namenda」と高血圧治療薬「Bystolic」を製品ラインアップに加えることとなり、Actavisの販売構成が変わるほか、統合会社の経費は10億ドル余り節減される。また、Forestの有力ブランド商品の販売先も広がる。
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Actavisは、アイルランドのActavis
Group と米国のWatson
Pharmaceuticals
が統合してできた世界第3位(Teva、Mylanに次ぐ)のジェネリック医薬品メーカーで、世界60カ国以上においてジェネリック医薬品、ブランドジェネリック医薬品、レガシーブランド及び一般用医薬品を、開発、製造及び販売している。
アイルランドのジェネリック医薬品会社のActavis
Group は買収を続けてきた。
2005年にAlpharma Inc.のジェネリック 医薬品事業を買収した。
AlpharmaはHoechstのgeneric部門を買収している。2006年に米国のジェネリック医薬品会社Amide Pharmaceutical を5億ドルで買収、米国に進出した。
日本では2009年4月にあすか製薬との合弁会社あすかActavis製薬を設立している。
米国のジェネリック医薬品会社のWatson Pharmaceuticals Inc.も2006年に米国のAndrx Corporationを19億ドルで買収している。
2012年10月、Watson Pharmaceuticals Inc. がActavis Group を42.5億ユーロで買収・統合し、統合会社をActavis Inc.とした。
これにより、2012年の売上高80億米ドルを超える世界第3位のgeneric 医薬品会社が誕生した。
統合によるシナジー効果から今後3年間で年間3億米ドルのコスト節減を予測した。
Actavis は2013年10月、アイルランドの特殊医薬品メーカーのWarner Chilcott を債務も含め85億ドルで買収した。
経皮吸収避妊パッチなどに強みを持つWarner Chilcott を買収することで、後発医薬品のポートフォリオを拡大するとともに、global headquartersをアイルランドに移し、節税効果も狙う。
(アイルランドのDublinにglobal headquartersを置き、米国ニュージャージー州ParsippanyにAdministrative Headquarters を置く。)アナリストは、Actavis はカナダの特殊医薬品メーカーのValeant Pharmaceuticals International や米国のジェネリック医薬品メーカーのMylan Incによる買収の標的とされているとされ、これを避けるためではないかとみている。
なお、最近の報道では、Valeant Pharmaceuticals、Mylan Inc. とActavis がそれぞれ、Pfizer Inc のジェネリック business の買収を狙っているとされる。
Actavisは2014年1月、中国の子会社
Actavis (Foshan) Pharmaceuticals を Zhejiang Chiral Medicine
Chemicals に売却した。
Actavis (Foshan) は小規模なため、Zhejiang Chiral に任せる方がよいと判断したとしているが、政府の介入など、厳しい事業環境が理由とされている。
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