2016年発行の5ポンド紙幣は Sir Winston Churchill の肖像を描いたもので、1年後には小説家のJane Austenの肖像の10ポンド紙幣を出す。
5ポンド紙幣のコンセプトデザイン
付記 肖像画の下のコメント= 下院での首相就任演説 (May 13, 1940)
"I would say to the House, as I said to those who have joined this Government: I have nothing to offer but blood, toil, tears, and sweat. We have before us an ordeal of the most grievous kind. We have before us many, many long months of struggle and suffering. You ask, what is our policy? I can say: It is to wage war, by sea, land and air, with all our might and with all the strength that God can give us: to wage war against a monstrous tyranny, never surpassed in the dark, lamentable catalogue of human crime. That is our policy. You ask, what is our aim? I can answer in one : It is victory, victory at all costs, victory in spite of all terror, victory, however long and hard the road may be; for without victory, there is no survival."
Bank of England
が3年間の検討の後、国民の意見を求めたうえで決定した。
プラスチック紙幣は、汚れや湿気に強く、紙幣よりも長い期間
清潔であること、偽造が難しいこと、紙幣の少なくとも2.5倍の期間 使用できることが理由。
環境にも優しく、長期間使えるため、紙幣よりも割安であること、薄く、しなやかなため、紙幣と同様に財布に収まることなども利点としている。
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世界最初のプラスチック紙幣は、Reserve Bank of Australia (RBA)が1988年に発行した10豪ドルの建国200年記念紙幣である。
1966年に豪州が通貨を豪ポンドから10進法の豪ドルに変更したが、新紙幣の流通の1年後に早くも偽造紙幣が見つかった。
RBAでは偽造対策に取り組み、豪州科学産業研究機構 (CSIRO:Commonwealth Scientific and Industrial Research Organisation) と University of Melbourneの協力を得て、20年かけて開発した。
豪州は流通する紙幣を全面的にプラスチック紙幣に移行することを決定し、1996年までに実施した。
基材Guardian®はPPフィルム(BOPP)の上に不透明層を重ねている。
Reserve Bank of Australia は基材Guardian 製造のため、1996年に英国のフィルムメーカー Innovia Filmsとの50/50JV Securency International を設立した。Securency International の子会社のNote Printing Australia がプラスチック紙幣の印刷を行う。
このGuardianを使ったプラスチック紙幣は現在では30以上の中央銀行が通常紙幣若しくは記念紙幣として採用している。
最近のものには、特殊なインクや見る角度によって色が変化するホログラフィー技術を採用、透明窓にはある角度からでしか読み取れない「秘密の番号」が埋め込まれるなど、徹底した偽造防止対策が施されている。
採用状況は以下の通り。
http://www.innoviasecurity.com/InnoviaSecurity/media/Innovia-Security/Guardian-Issuer-Nations-List---13Sep2013.pdf
その後、Securency International とNote Printing Australia
が受注のためにインドネシア、マレーシア等の外国政府の高官に賄賂を贈る事件が発生、Reserve Bank of
Australiaの姿勢が問われた。
その結果、2013年2月に Reserve
Bank of Australiaは持ち株をInnovia Filmsに売却し、Innovia
Filmsの100%子会社となった。
Note Printing Australia はRBAが保有している。
現在、基材の製造はMelbourneとメキシコのQuerétaro
で製造している。
今回のBank of
England の決定で、Innovia Filmsでは英国のWigton
に新工場を建設する。
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