アイスランドの国家エネルギー機関(Orkustofnun)は1月22日、中国海洋石油(CNOOC)に対し、北極圏での石油開発の認可を与えた。同社が最近発表した。
アイスランドは同国の東北の北極圏にある Jan Mayen海嶺の一部 Dreki Area の権益を持つ。(残り地域はノルウェー )
「北極圏」は北緯66度33分以北の地域
今回、Dreki Area での3番目の認可で、権益者は以下の通り。
CNOOC 60% アイスランドのEykon Energy 15% アイスランド国営石油 Petoro Iceland 25%
Petoro Icelandは全ての鉱区で25%の権益を取得することとなっている。
アイスランドは2013年1月に2つのライセンスを与えている。
下図 赤色地区 Faroe Petroleum(Norway)
Iceland Petroleum
Petoro Iceland67.5%
7.5%
25.0%下図 青色地区 Valiant Petroleum
Icelandic Kolvetni
Petoro Iceland56.25%
18.75%
25.0%2013年にカナダの Ithaca Energyが買収
それぞれの区域は下記の通り。
中国は2013年に280百万トンの原油を輸入している。国内生産は208百万トンにとどまっており、輸入比率は58.1%に達する。
中国の石油会社はグローバルに展開しているが、北極海域の油田開発についてもチャンスを窺っており、ロシアのRosneftの社長が2013年上半期に中国を訪問、CNOOCその他の石油会社とロシア北極海域に眠る油田開発について
議論したと報道されている。
中国とアイスランドは2013年4月15日、自由貿易協定(FTA)を締結した。
中国にとって欧州の国との最初のFTAとなる。
中国は、地熱探査やグリーンエネルギーなどの分野での協力強化、氷河や火山、地震などの共同研究と技術協力、海洋と極地共同研究センターの構築に力を入れていきたいとしている。
中国にとっては、北極圏進出の象徴としての意味合いもあると報じられている。
また、SinopecはアイスランドのOka Energy Holdings と提携し、地熱開発に取り組んでいる。
アイスランドにとっては、水産物などの中国向け輸出は約6100万ドルとなっており、FTAにより更に恩恵を受けるとみられている。
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北極圏開発のルールづくりを各国が話し合う北極評議会は2013年5月、中国と日本、韓国、インド、イタリア、シンガポールの6カ国を評議会の「オブザーバー」に加えることを決めた。
北極評議会の構成は下記の通り。
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