EUの欧州委員会は3月19日、自動車向けのベアリングで、日本企業4社と欧州企業2社の計6社が2004年から7年以上にわたって欧州内でカルテル行為を実施したとして、うち5社に9億5300万ユーロの制裁金を科したと発表した。
日本のジェイテクトはカルテルの存在を通知したため、制裁金 86,037,000ユーロを免除された。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||
ジェイテクトは2006年1月に光洋精工と豊田工機が合併 NTNは旧東洋ベアリング |
本件は、米国などで摘発が続いている自動車部品カルテルの一部。
欧州委員会は既にワイヤーハーネスとマットレス・カーシートの2件を摘発しているが、他にも調査を進めている。
1)ワイヤーハーネス (2013/7/10発表)
制裁金(€) 矢崎総業 125,341,000 古河電気工業 4,015,000 住友電気工業 0 S-Y Systems Technologies
(矢崎総業)11,057,000 Leoni (ドイツ) 1,378,000 合計 141,791,000 住友電工はカルテルの存在を通知し、制裁金 291,638,000ユーロを免除された。
古河、矢崎、SYS、Leoni は協力割合に応じ、20~50%の減免を受けた。
また各社は示談にすることで10%の減免を受けた。
2)自動車用マットレス、シート(2014/1/29発表)
Leniency
示談制度割引
制裁金 (€)
Vita
100%
10%
0
Carpenter
10%
75,009,000
Recticel (自社分)
50%
10%
7,442,000
Eurofoam(Recital/Greiner JV)
- Eurofoam, Recticel and Greiner
- Greiner and Recticel
- Recticel50%
10%
14,819,000
9,364,000
7,443,000Total
114,077,000
Vita は制裁金61.7百万ユーロを免除された。
欧州委員会では他に、エアバッグ、安全ベルト、ハンドル、エアコン、エンジン冷却製品、照明システムなどで調査を進めている。
ーーー
日本ではベアリングカルテルについて3社を告発、うち2社については罰金判決が出た。(NTNは無罪を主張している)
公取委は2013年3月29日、排除措置命令及び課徴金納付命令を行った。
排除命令 | 課徴金 (千円) |
減免 | 罰金判決 (千円) |
|
NTN | 〇 | 7,231,070 | 裁判中 | |
日本精工 | 〇 | 5,625,410 | 30% | 380,000 |
不二越 | 〇 | 509,390 | 30% | 180,000 |
ジェイテクト | ー | ー | 100% | ー |
合計 | 13,365,870 |
罰金の刑に処せられ、同裁判が確定している事業者については、独占禁止法第7条の2第19項の規定に基づき、当該罰金額の2分の1に相当する金額を控除した額を課徴金額としている。
ワイヤーハーネスについては、公取委は2010年2月、米国司法省、欧州委員会などとほぼ同時期に調査を開始し、2012年1月に課徴金納付命令を行った。
2012/1/28 公取委、自動車用ワイヤーハーネスのカルテルで課徴金
ーーー
米国では多数の日本企業および個人が自動車部品カルテルで摘発されている。(現在も続いている。)
ベアリングではジェイテクト、日本精工が、ワイヤーハーネスでは古川電工、矢崎総業、フジクラが司法取引を行っている。
現状の明細は 2013/10/1 米司法省、自動車部品カルテルで更に9社、2名と司法取引に付記している。
コメントする