中国の高虎城商務相は3月21日、欧州産ワインのダンピング問題を巡って双方の業界が紛争解決で合意したと発表し、調査を打ち切る方針を示した。
中国商務部は3月24日、公告19号で調査打ち切りを発表した。
EUは同日、声明を発表、欧州ワイン企業委員会(CEEV:European
Committee of Wine Companies) と中国酒業協会(CADA:Chinese
Alcohol Drinks
Association)が合意に達し、2013年7月に開始された欧州原産ワインの反ダンピング調査、反補助金調査が終了することを歓迎した。
中国と欧州の間で太陽光パネルの貿易紛争が激化していた2013年7月に商務部が事実上の報復措置としてワインのダンピング調査を開始した。
中国ワイン協会が国内ワイン産業を代表して調査を要請した。
実際は、EUの反ダンピング課税を強く支持したフランスを標的にした報復である。
2012年の中国のEUからのワイン輸入量は25万7千キロリットルと2009年比で4倍に膨らみ、約70%がフランスからとなっている。
2013/7/5 中国、EU原産の輸入ワインで反ダンピング&反補助金調査を開始
EUは2013年7月23日、中国の太陽光パネルのダンピング問題で中国側と和解に達したと発表した。
欧州委員会は8月2日、これを承認した。
2013/7/28 EUと中国、太陽光パネルダンピング問題で和解
中国政府によるダンピング調査と並行し、2013年11月に欧州ワイン企業委員会
(CEEV)と中国酒業協会(CADA)による"Business
to Business"
協議が北京で開始された。
今回合意された覚書によると、中国業界は反ダンピング、反補助金調査の申請を取り消し、両者間で当初2年間、技術支援・協力活動を実施する。
中国政府のダンピング調査の終了を待ち、EUのワイン業界は中国側にぶどう栽培(果樹試験場と機械化技術)、ワイン醸造と品質管理、マーケティング、ワインテースティング、原産地保護制度などの分野での一連の技術支援を行う。
中国側はEU側が中国でEUのワインのテースティングを行うのを支援し、中国の消費者にワインの知識を植え付け、ワインとワイン文化の認識を深める。
両者は更に関係を強化する。
中国のワインの伸びは大きく、EUからの輸出は2012年に764百万ユーロに達し、全輸出の8.6%を占める。
このうち、フランスが71%、スペインが11.7%、イタリアが10.1%となっている。
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