CEPSA Químicaの中国子会社 CEPSA Chemical Shanghai が上海ケミカルパークでフェノール製造工場を建設中だが、住友商事はCEPSA QuímicaとのJV(CEPSA Quimica China) を設立し、これに参加する。
能力は中間体のキュメンが年産36万トン、製品のフェノールが25万トン、アセトンが15万トンで、2014年末には本格稼動する予定。
CEPSA Quimicaにとっては本事業が初めてのアジア進出で、同社の高い製造技術力と、住友商事の中国での事業経営ノウハウとマーケティング力を組み合わせることで、中国における石油化学品の製造・販売基盤を確立する。
住友商事はCEPSAグループと約25年間の取引関係があり、これを機会に、更なる取引拡大を計画している。
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CEPSA(Compañía Española de Petróleos S.A.)はスペインの石油・石油化学の総合メーカーで、石油の探鉱・開発から精製、輸送、販売と合成樹脂、合成繊維、洗剤原料等の生産販売を行っている。現在、アブダビ国営の投資会社 IPIC(International Petroleum Investment Company )の100%子会社となっている。
IPICは1988年に初めてCEPSAに出資、2009年に47.1%まで増やし、2009年8月にTotal 所有の48.83% を買収、最終的に100%をおさえた。
石油化学事業については、子会社Ertisa(フェノール)、Petresa(アルキルベンゼン)、Interquisa (PTA)で製造販売し、製油所で生産したプロピレンやBTXなどの石化製品についてはPetrocepsa で販売していたが、2008年5月、これらを1社にまとめ、CEPSA Quimica とした。
CEPSA Quimica (Ertisa)はスペインのHuelvaに年産60万トンのフェノール、37万トンのアセトンのプラントを持っている。
同社は上海ケミカルパークでUOP のキュメン法によるフェノール/アセトン プラント建設を決めた。
同社は2008年6月にBayerとの間でフェノールとアセトンの供給契約を締結した。
Bayerの欧州、タイ、中国の工場に供給するもので、Bayerは現在、上海ケミカルパークではBPA 20万トン、PC 20万トンを稼動中。
2008/8/19 スペインのCEPSA、上海でフェノール/アセトン生産を計画
中国国家発展改革委員会(NDRC)は2010年7月30日、CEPSAの子会社Ertisa(→CEPSA
Chemical Shanghai)の上海ケミカルパーク(SCIP)でのフェノール/アセトン計画を承認した。
環境面の承認は2008年に受けており、当初は2009年スタートを予定したが、グローバルな経済危機で延期されていた。
2010/8/9 スペインERTISAの上海フェノール計画、NDRCが承認、
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中国では、三井化学が2009年4月15日にシノペックとの間で協力関係拡大の覚書を締結、その一環として2010年8月にフェノール事業の合弁事業化で合意した。
50/50出資で上海中石化三井化工を設立し、既存プラントを継承するとともに、フェノール25万トンプラントを新設するもので、新プラントは本年5月に稼動する予定。
1. 所在地 上海市・上海化学工業区 2. 出資比率 50:50 3. 生産能力
フェノール アセトン BPA 今回新設 25万トン 15万トン 既設(上海中石化三井化工) 12万トン 既設(上海中石化高橋分公司) 12.5万トン 7.5万トン 合計 37.5万トン 22.5万トン 12万トン 4. 新プラントプロセス 三井化学技術 5. 営業運転開始時期 2014年5月稼動
2009/11/4 三井化学、シノペックとの合弁事業の基本合意2011/9/8 三井化学、フェノール・チェーンを強化・拡大
現在、フェノール及びビスフェノールA事業は、中国での新増設ラッシュによる市況悪化のため収益が低迷している。
三井化学は、2011年頃にはフェノール・チェーンをグローバルに拡大させる競争優位5事業の1つと位置付けていたが、本年2月6日、再構築を発表、千葉フェノールを停止し、中国市場については上海の新プラントでカバーすることとした。
2014/2/10 三井化学の事業構造改善計画
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