ポーランドの石油化学会社 Synthos は3月31日、ブラジルの Rio Grande do Sul のTriunfo石化コンプレックスでネオジウム触媒ポリプタジエンゴム(Nd-BR) の製造工場を建設する計画を明らかにした。
2013年に締結したBraskemとの間の原料ブタジエンの供給契約が発効次第、自動車やトラックの高機能タイヤや多くのゴム製品に使用されるNd-BRプラントの建設を開始する。
能力は年産8万トンで、輸入品を代替する。
本計画はMichelinからライセンスされた技術を使用する。
SynthosはタイヤメーカーのMichelin 及びPirelli
との間で、ブラジルの両社のタイヤ工場にNd-BR を供給する契約を締結している。
Synthosは以前から成長の著しい南米市場に注目しており、2012年の南米向け輸出は3.3%であったが、2013年には6.3%に上っている。
2013年の1-9月に、ブラジルの新車向けタイヤの売上は前年同期比で9%増え、交換タイヤは11%増えており、ブラジルと他の南米諸国は極めて魅力的な市場であるとしている。
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Synthosは旧称 Firma Chemiczna Dwory S.A で、ポーランド最大の化学品メーカーである。
2007年にチェコの化学会社 Kaucuk s.a を買収し、同年10月にSynthosに改称した。
主製品は合成ゴムとPSである。
PS部門ではPS、発泡ポリスチレン、押出発泡ポリスチレンを生産している。
合成ゴム部門では、乳化重合法SBR (E-SBR)、溶液重合法SBR (S-SBR)、Nd-BR、HSR(high
styrene rubber)、NBR などを生産している。
このうち、S-SBRとNd-BRが省燃費型高性能タイヤ(いわゆる
Green Tire)用に使われており、各地で増設されている。
2010/12/27 溶液重合法SBRの増設相次ぐ
Dowから分離したStyronもドイツのSchkopauでS-SBRを生産しているが、同社は2014年4月、Schkopauの高シスBRプラントをNd-BRに転換すると発表した。
2011/6/6 Lanxess、シンガポールでポリブタジエンゴムを生産
2008年10月にMichelinからNd-BRの技術を導入した。
同時に両社の間で、生産開始後少なくとも7年間、製品をMichelinに供給する契約が締結された。
年産8万トンのNd-BRの生産が2011年にチェコのKralupy
で開始された。
参考 Michelinはインドネシアで合成ゴムの生産を計画している。
2012年6月、SynthosはThe
Goodyear Tire & Rubber CompanyからS-SBRの技術を導入した。
2015年にポーランドのKrakow で年産10万トンプラントが生産開始の予定。
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