1.三井化学
石化の増益が大きく、増収増益となった。
基礎化学品(フェノール、高純度テレフタル酸など)とウレタンは赤字が続く。
同社はこれら赤字製品の再構築を行っているが、再構築費用として257億円の特別損失を計上し、当期損益は251億円の赤字となった。
単位:億円 (配当:円) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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営業損益対比(億円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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石化 :エチレン、プロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレン 基礎化学品 :フェノール、ビスフェノールA、高純度テレフタル酸、ペット樹脂、エチレンオキサイド
石化の増益は、売上増、交易条件の改善、ナフサ価格上昇での在庫評価益、連結子会社決算期統一(15ヶ月の業績取り込み)による。
特別損益として、ポリウレタン材料事業とフェノール事業の事業再構築費用 257億円を計上した。
三井化学は2月6日、ポリウレタン材料事業とフェノール事業、高純度テレフタル酸(PTA)の再構築を発表した。
この時点では再構築費用を206億円としたが、第4四半期で更に51億円を追加した。
ポリウレタン事業:
鹿島工場 2016年12月末 閉鎖
TDI(年産117千トン) 停止
無水マレイン酸(32千トン)、フマル酸(151千トン) 停止、事業終了
特殊イソシアネート群(2400トン) 大牟田工場に生産移管
大牟田工場
MDI(年産60千トン) 停止 2016年12月末
特殊イソシアネート群の大型プラント(5000トン)新設 2015年10月稼動フェノール事業:
千葉フェノール(フェノール 250千トン、アセトン 80千トン) 2014年9月末に停止、解散
市原工場のビスフェノールA(90千トン) 2014年3月末に停止
シンガポールのビスフェノールAの1基 70千トンを停止高純度テレフタル酸事業:
インドネシアのJV P. T. Amoco Mitsui PTA Indonesia 持分をBPに売却 (売却益を計上した模様)
2014/2/10 三井化学の事業構造改善計画
2.東ソー
増収増益となった。
南陽のVCM工場がフルに稼動し、クロルアルカリが数量差益で黒字になった。
単位:億円 (配当:円) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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営業損益対比(億円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2011年に爆発事故を起こした南陽のVCM工場は、第1VCMプラント(年産能力:25万トン)が2012年5月に、第3VCMプラント(年産能力40万トン)が2012年7月に再開した。
3.旭化成
増収増益となった。
ケミカルズ、エレクトロニクス、医薬の増益が大きく、住宅も好調。
単位:億円 (配当:円) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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営業損益対比(億円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2014年度より、ケミカルズ・繊維、住宅・建材、エレクトロニクス、ヘルスケア(医薬・医療+クリティカルケア)の区分となる。
特別損益では、ケミカル事業における水島地区エチレンセンターの集約(旭化成のエチレン廃棄など)および国内石油化学事業の基盤強化などによる事業構造改善費用
225億円を特別損失に計上した。
2014/2/27 旭化成と三菱ケミカル、水島地区エチレンセンター集約で合意
なお、特別利益に 受取損害賠償金 535億円がある。
旭化成ファーマが開発したRho-kinase 阻害剤「ファスジル」のライセンス契約に関連して、スイスのActelion社およびその関連会社・役員を被告とする損害賠償請求訴訟で、2014年3月にカリフォルニア州最高裁判所から勝訴確定の決定が下された。
2011/8/24 旭化成、医薬品開発中止に対する損害賠償請求の第一審で勝訴 の付記
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