BMW、米で炭素繊維の生産能力を3倍に

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BMWは5月9日、自動車の軽量化に役立つ炭素繊維の生産能力を3倍にすると発表した。

ドイツの炭素繊維メーカーのSGL TechnologiesとのJV のSGL Automotive Carbon Fibersのワシントン州のラージトウ炭素繊維工場に2億ドルを投じ、現在の年産3千トンを9千トンに引き上げる。
2015年に完成すれば世界最大のプラントとなる。


全量がBMWの自動車に使う炭素繊維強化プラスチックに使われる。

当面、電気自動車とハイブリッドカーに使用するが、BMWでは増産完成後は他のモデルでもコンペティティブな価格で大量に使用できるとしている。
2年後に改装されるBMW 7 - シリーズのフラッグシップセダンは幅広くカーボンファイバーを使うと見られている。

原料プレカーサーは三菱レイヨンとSGLのJVのMRC-SGL Precursor の大竹工場から供給される。

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BMWは2010年に、大都市圏での使用を前提としたゼロ・エミッションの車両 "Megacity Vehicle"を2013年に市場に導入することを発表した。

昨年、電気自動車「BMW  i 3 compact car」を発売、受注台数は1万台を超え、本年4月には米国で販売を開始した。
昨年9月にフランクフルトモーターショー2013で発表されたハイブリッド車「BMW  i 8 plug-in hybrid sports car」は夏に発売する。

BMWは"Megacity Vehicle"の製造にあたり、電池などで重量が増える分を素材の軽量化で相殺し、走行時のエネルギー消費を抑えるため、炭素繊維を使用することとし、基幹部品用の炭素繊維を製造するため、2010年1月にSGL Automotive Carbon Fibersを設立、1億ドルを投じ、工場を建設した
BMWが49%、
SGL Technologiesが51%出資する。

合弁相手のSGL Technologiesはドイツの炭素繊維メーカーで、三菱レイヨンと提携している。

三菱レイヨンは2005年1月、欧州市場の拡大を見据え、ドイツに本社を置く SGL Carbon Groupと提携し、欧州での焼成拠点を確保した。戦略的な提携の第一歩としてSGLグループのスコットランド会社 SGL Technic Ltd. への年間750トンの生産委託を決定した。

三菱レイヨンは2010年4月、SGL Automotive Carbon Fibersに炭素繊維のプレカーサーを供給するため、SGL Technologiesとの間で合弁会社 MRC-SGL Precursorを設立した。

SGL Precursorの出資比率は三菱レイヨンが66.66%、SGLが33.34%で、製造拠点は 三菱レイヨンの大竹事業所内。
2011年4月に量産を開始した。

モノの流れは以下の通り。

担当企業 立地 製品
MRC-SGL Precursor 大竹 炭素繊維プレカーサー
SGL Automotive Carbon Fibers  米ワシントン州 (焼成)→ ラージトウ炭素繊維
  同上(中間材工場) 独 バイエルン州 → 各種織物
BMW部品工場   (成形加工)→ 炭素繊維複合材料
BMW   次世代環境対応車 "Megacity Vehicle"


2011/12/15 自動車向け炭素繊維複合材料の開発が進展

 


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