明治ホールディングスは6月11日、傘下の製薬会社Meiji Seika ファルマがインドの製薬会社メドライク(Medreich Limited)
の全株式を2億9000万ドルで取得し、完全子会社化すると発表した。
規制当局の許認可を得て年内にも買収手続きを完了させたい考え。
Medreichの株主はMed
Holdings(UK)、Nokha Holding、V-Sciences等である。
Medreichの創業者がMed Holdings(UK)、Nokha Holdingを通じ、またシンガポールのTemasekの子会社Temasek Life
Sciences Laboratory がV-Sciencesを通じて出資している。
Medreichはインドを生産拠点として、医薬品製剤の受託製造(CMO)・受託開発製造(CDMO)およびジェネリック医薬品の製造・販売を欧州、アジア、アフリカなどに向けてグローバルに展開している。
同社の医薬品製剤のCMO事業は、大手グローバル製薬企業を主要顧客としており、コスト効率の高さと品質レベルにおいて、高い評価を得ている。
2005年以降は、医薬品製剤のCDMO事業およびジェネリック医薬品事業に進出し、多くの医薬品製剤の開発・申請・承認取得実績を有するとともに、インド国内および世界各国へのジェネリック医薬品の輸出販売を展開している。
1994年 Smithkline Beechamからアフリカ向けのジェネリック医薬品の供給を受託、
同社から技術や規制対応の指導を受けた。
2000年 GSK、Pfizer、Sanofi に供給を開始
2005年 Temasek Life Sciences Laboratoryが出資
2009年 インド市場に参入
現在の主要事業パートナーは、GSK、Adcock Ingram、Pfizer、Sanofi、Mylan等 である。
2013年3月期の連結売上高は157百万ドル、経常利益は22百万ドル、当期利益は11百万ドルとなっている。
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明治ホールディングスは2009年4月1日に、明治製菓と明治乳業が設立した共同持株会社。
2011年4月に、明治グループ内事業再編により、
食品事業を㈱明治、薬品事業をMeiji Seikaファルマ㈱とした。
㈱明治:食品事業(菓子、乳製品、健康栄養)
Meiji Seikaファルマ㈱:薬品事業
医療用医薬品
生物産業:農業用(除草剤、殺菌剤等)、動物薬(ペット用、畜産・水産用)
薬品事業は1946 年にペニシリンの開発を行って以来、60 年を超える歴史があり、ペニシリン製造を皮切りに1950
年に結核治療薬「ストレプトマイシン」を、1958 年には国内初の国際的医薬品として抗菌薬「カナマイシン」を発売した。
抗菌薬のトップメーカーとして自社独自の製造・開発技術を確立し、次々に優れた抗菌薬を提供してきた。
1906 | 明治製糖 設立 | |
1917 | 明治製糖が極東煉乳を設立 | |
1924 | 明治製菓に改称 | |
1940 | 極東煉乳を明治乳業に改称 | |
1946 | ペニシリンの製造開始 | |
1950 | 抗菌薬「ストレプトマイシン」発売 | |
1958 | 抗菌薬「カナマイシン」発売 | |
2009 | 明治製菓・明治乳業が経営統合 共同持株会社「明治ホールディングス」設立 | |
2011 | 事業再編 ・ ㈱明治 ・ Meiji Seikaファルマ㈱ |
同社の長期経営指針「明治グループ2020ビジョン」において、Meiji
Seikaファルマは、国際展開力を有する「スペシャリティ&ジェネリック・ファルマ」として、
・感染症・中枢神経系領域における新薬の研究開発・製造・販売
・高品質で安価なジェネリック医薬品の提供
・農薬・動物薬事業を通じて、
世界の人びとの健康と生活充実に貢献することをミッションとして掲げている。
そのなかで、医薬事業の持続的成長を図るべく、ジェネリック医薬品事業の一層の拡大とアジア・新興国を中心とした海外事業の積極拡大に取り組んでいる。
今回の買収により、下記の効果を狙う。
・低コスト生産かつ生産数量の拡大のためのインフラ獲得
・低価格薬剤の需要増加が見込まれるインドやアジア・アフリカ諸国におけるジェネリック医薬品の販売網拡大
・大手グローバル製薬企業との長年の取引をベースとしたCMO・CDMO事業の拡大
・これらを推進する人材の獲得
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