経産省は6月13日、エチレン系・プロピレン系誘導品及び芳香族製品等の石油化学製品についての、2018年までの世界の需給(需要、生産能力、生産量)の動向をとりまとめて発表した。
(以下のグラフはMETI発表の数値に基づき、当ブログで作成したもの)
本年の需給動向の作成に当たっては以下の見方をしている。
① 中国の石炭化学プラントの新設計画の具体化により、中国のエチレン生産能力の見通しは昨年度版より1割程度増加し、2017年には3千万トンを超える勢い。
② 米国のエチレン生産能力は2018年までに1千万トンを超える新増設計画が確実視され、それ以降も増加傾向が続く。
ただし、建設コストの高騰や輸出環境の変化などにより計画の後ろ倒しの動きも見られる。
③ 世界全体の需要量の伸び率は、エチレン系誘導品は年平均4.2%、プロピレン誘導品は年平均4.0%とした。
今後も引き続き中国、インドが需要の伸びを牽引していくが、今後の両国の経済成長率の鈍化により小幅な需要の伸びに止まることも考えられる。
世界のエチレン系誘導品の需給は以下の通り。(エチレン換算:百万トン)
世界計 | 韓国 | 台湾 | 中国 | ASEAN | インド | 日本 | アジア計 | 欧州 | 北中南米 | 中東 | ||
2012 実績 |
需要 | 120.4 | 4.3 | 2.3 | 30.2 | 6.6 | 5.8 | 4.9 | 54.2 | 20.7 | 32.7 | 8.8 |
能力 | 157.7 | 7.8 | 4.8 | 22.5 | 12.1 | 5.1 | 7.4 | 59.7 | 26.7 | 38.9 | 26.7 | |
2018 予想 |
需要 | 158.6 | 4.5 | 2.7 | 42.9 | 8.2 | 10.6 | 4.9 | 73.8 | 22.2 | 39.7 | 13.0 |
能力 | 186.2 | 8.6 | 5.0 | 30.2 | 12.7 | 9.2 | 7.1 | 72.7 | 25.7 | 46.9 | 33.1 |
原料であるエチレンの生産能力は、2012年末の150.1百万トンから、2018年末に188.1百万トンに増加する見通し。
増加幅で見ると中国、北米がそれぞれ10百万トンを超えると予測されている。
世界のプロピレン系誘導品の需給は以下の通り。(プロピレン換算:百万トン)
世界計 | 韓国 | 台湾 | 中国 | ASEAN | インド | 日本 | アジア計 | 欧州 | 北中南米 | 中東 | ||
2012 実績 |
需要 | 82.3 | 3.0 | 2.2 | 24.5 | 4.8 | 3.3 | 4.1 | 41.9 | 15.7 | 17.2 | 4.5 |
能力 | 102.6 | 6.2 | 3.2 | 22.9 | 7.0 | 4.5 | 5.7 | 49.4 | 18.4 | 23.3 | 8.5 | |
2018 予想 |
需要 | 104.3 | 2.9 | 2.2 | 36.0 | 6.2 | 6.1 | 3.9 | 57.3 | 16.6 | 20.8 | 5.7 |
能力 | 126.0 | 6.5 | 3.2 | 35.3 | 8.3 | 6.1 | 5.2 | 64.5 | 18.4 | 27.6 | 11.1 |
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