伊藤忠は7月24日、アジア有数の大手複合企業の一つ タイの Charoen Pokphnad Group (CP)と資本・業務提携契約を締結した。
CPグループは農業と食料品を中心に情報通信、流通、金融、医薬品等の非資源事業を手がけるアジア有数の大手複合企業の一つで、傘下にCharoen Pokphand FoodsやC.P.Pokphand等を有し、タイ、中国等を中心に国際的に事業を展開している。
アジアにおける非資源分野で提携するとともに、CPは伊藤忠の第三者割当を引き受け、4.9%(1024億円)の出資で伊藤忠の筆頭株主となる。
伊藤忠はCPの子会社に25%(870億円)出資する。
伊藤忠の大株主は信託口を除くと、みずほ銀行が2.47%、三井住友海上火災が2.38%、日本生命が2.15%となっている。
なお、伊藤忠は株式の希薄化を防ぐため、1100億円を限度とする同じ株数(7800万株)の自社株買いを行うことを発表した。
伊藤忠はアジアでの非資源分野事業の拡大を検討する中で、CPグループの有するアジアにおける強固なネットワークや知名度に着目した。
CPグループもアジアにおける食料事業を含む非資源分野事業の更なる展開を図っており、特に欧米の伊藤忠のこの分野での経営基盤に着目した。
両社は2013年11月より協議、検討を続け、今回の提携で合意した。
半年間検討するなかで、実効性を上げるために株式を持ち合おうということになったという。
提携内容は以下の通り。
業務提携 |
① アジアを中心とした食料、化学品、情報通信、金融等を含む非資源分野における事業拡大機会の共同開拓 ② タイ、中国、ベトナムなどを中心としたアジア地域における飼料、畜産、水産関連分野での共同取組の推進、同地域への原料供給体制の整備 |
資本提携 |
Charoen Pokphnad
Group (CP)は汕頭出身の潮州人で1921年にタイに渡航した謝易初とその後を追ってきた弟の謝少飛による園芸店 正大荘行が前身となっている。
同社は中国に大々的に進出しているが、中国語では同社はこの名前から正大集団と呼ばれる。
その後、謝易初の長男のチャラン(謝正民)が家畜飼料の販売店Charoen Pokphnad を設立した。
現在は農業と食料品を中心に情報通信、流通、金融、医薬品等の非資源事業を手がける。
アグリビジネスは種、飼料、養鶏・養殖、生産加工、貿易の5つの分野に分けられる。タイ国内外の飼料工場では鶏、豚、エビ向けの飼料の生産がおこなわれている。
1989年には明治乳業との共同出資で CP-Meiji を設立、タイで牛乳・ヨーグルトなどの生産、販売を行っている。
1999年にはタイ初のセブンイレブンをバンコクに開店 した。現在では5,000を超える店舗がある。
2002年に上海にアジア最大規模の売り場面積をもつスーパーブランドモールの「正大広場」を開店した。
化学関係では1998年にSolvay、PTT Chemials との電解、VCM、PVCのJVのVinyThaiを設立している。
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