INEOS、BASFからスチレン系製品のJV Styrolutionの持分を買収

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INEOSは6月30日、BASFから両社の50/50JVのStyrolutionの持分を11億ユーロで買収すると発表した。
2011年の設立JVにINEOSがこのオプションを持つことが含まれている。独禁法の手続きを経て、2014年第4四半期に完了する予定。


BASFは2007年7月、スチレン事業一部の「戦略的な選択肢」を検討していることを発表した。
売却対象は、SM、PS、ABS、SBS (スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体)と、それらのコポリマー。
利益率が低く、原料の動向に左右されるコモディティからの離脱を狙った。

その後、売却準備を続けてきたが、全くまとまらなかった。

2008/8/20 BASF、スチレン系事業の売却準備 進める

BASFとIneosは2010年11月30日、両社のスチレン、PS、ABS、SBC、その他スチレン系コポリマーとそのブレンドの事業を新しい50/50JVのStyrolutionに統合すると発表した。

統合に先立ち、BASFは2011年1月1日にスチレン系ポリマー事業を分社し、Styrolutionを設立した。
この時点で、将来事業を売却することを決めていた。

2011年10月1日、BASFとIneosのスチレン系事業を統合した50/50JVのStyrolutionが各国の独禁法当局の承認を得て発足した。
社名は、"Styrenics" と"Solution"を合成したもの。

新会社の製品は、SM、PS、ABS、スチレンブタジエンブロックコポリマー(SBC)、スチレン系コポリマー(SAN、AMSAN、ASA、MABS)と、それらのブレンド(ABS/PA、ASA/PA、ASA/PC)で、発泡ポリスチレン(EPS)は対象外で両社に残った。

2011/10/11 BASFとIneosのスチレン事業を統合した Styrolution がスタート 

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BASFと並ぶスチレン系の大手であったDowも、スチレン系事業のStyronを投資会社Bain Capital Partnersに売却している。

同社は2010年3月2日、Styron DivisionをBain Capital Partnersに16.3億ドルで売却する契約を締結したと発表した。ポリカーボネートや合成ゴムも含まれる。

同社は2007年にChevron PhillipsとのSM/PSの50/50JVAmericas Styrenicsを設立、米国と南米のPS工場を拠出したが、この持分も売却対象に含まれる。

2010/6/18 ダウ、スチレン系事業売却完了

Styronは2011年末に社名を Trinseo に変更した。

TrinseoはIntrinsic(「固有の」、「本質的な」、「内在する」)から取った。
同社の製品や技術が、需要家の製品にintrinsic な役割を果たし、需要家の成功に不可欠なものになるという意味。

なお、PSの商標は従来通り Styron を使用する。

 

 


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