LG Chem、南京に電気自動車用バッテリー工場建設

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LG Chemは7月2日、ソウル市内で南京市政府とEV用バッテリー工場の建設など包括的協力に関する覚書を締結した。
韓国の梧倉工場、米
ミシガン州Holland工場、中国・南京工場を結ぶEV用バッテリーの三角生産体制を確立する。

LG Chemは南京の子会社 LG Chem (Nanjing) Information & Electronic Materials で スマートフォンなど携帯端末向けの小型バッテリーを生産している。

後述の通り、韓国勢ではサムスンSDIとSK Innovation も中国でEV用バッテリーの生産に乗り出している。

LG Chemは8月に南京市政府系の国有企業、南京紫金科技創業特別社区建設発展(Nanjing Zijin Technology Incubation Special Park Construction Development Co)、南京新工投資集団(Nanjing New Industrial Investment Group)の2社と合弁会社を設立する。
LG Chemが50%出資、残りは中国の2社が握るが両社の出資比率は未定。

年間生産能力はEV10万台分以上とし、数億ドルを投じる。
9月に起工式を行い、2015年末までの完成を目指す。

LG Chemの権暎寿社長は「南京工場が操業を開始すれば、中国国内での生産分だけで毎年1兆ウォンを超える売り上げが可能だ」と述べた。

既に上海汽車、第一汽車、長安汽車、観致汽車(Qoros)など中国の自動車メーカーをはじめ、中国に進出した海外の自動車メーカーからも年10万個を超える受注を確保した。

世界最大の自動車市場である中国は、石油消費の急増と環境問題解決に向け、EVの本格普及を目指している。

中国政府は国内のEVを2015年までに50万台、2020年までに累計で500万台普及させる計画を立てており、中国は米国を抜き、世界最大のEV市場に浮上するとみられている。

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サムスンSDIは2014年1月22日、安慶環新集団(Anqing Ring New Group)および陜西省政府と「電気自動車用電池生産拠点建設投資3者了解覚書」に調印した。
サムスンSDIは5年間に約6億ドルを段階的に投じ、安慶環新集団と省政府の西安高科集団と合同で西安ハイテク区に中国最大規模のEV用リチウムイオン電池の生産拠点を建設する。

安慶環新集団は中国最大シェアのピストンリングとシリンダーライナーの製造会社で、サムスンSDIは「安慶環新集団の自動車部品事業のノウハウとサムスンSDIのバッテリー分野の技術力で相乗効果が生まれる」と説明し ている。

本年4月に合弁会社を設立、サムスン電子が西安で建設している半導体工場の隣接地に工場を建設する。
本年下半期に着工、来年上半期には操業開始の見込み。

自動車産業は西安ハイテク区の重点産業の一つで、比亜迪汽車(BYD)、自動車部品メーカーの法士特汽車電動集団中型・ 大型バスの陜西欧舒特汽車などの企業を中心に、完成車組み立て、動力、制御システム、シャーシ、重要部品、自動車関連サービスが一体となったシステムが整っている。EV用電池生産拠点の稼働で西安ハイテク区の新エネルギー自動車産業チェーンはさらに完全なものになる。

サムスンSDIは7月1日、グループの第一毛織Cheil Industriesと合併した。

第一毛織は第一製糖とともにサムスングループの最初の製造業で、織物事業から始まり、1980年代にファッション事業、1990年代にケミカル事業(PS、ABS等)、2000年代には電子材料事業へと進出してきた。

サムスンSDIは1970年にブラウン管事業からスタートし、2002年に新規事業としてバッテリー事業を加え、2010年には小型バッテリー市場でトップに立った。

サムスンSDIは第一毛織が持つバッテリー寿命などを向上させる二次電池セパレータ技術と有機素材技術を取り込むことでバッテリー事業の競争力を強化できると説明した。
また、第一毛織の合成樹脂事業をこれまでの電子、IT中心から自動車向けへと拡大することができるとしている。

サムスンSDIの社長は「電気自動車がうまくいくためには一度の充電で持続する時間が画期的に増えなければならず、充電時間も短縮されるべきだが、いま使っている素材ではできない。新しい素材を発掘しなければならない」と述べた。

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SKイノベーションは2013年7月8日、中国の自動車大手の北京汽車集団と、国有大型電子産業グループの北京電子控股 と3社合同でEV用リチウムイオン電池を製造する合弁会社を北京市内に設立したと発表した。

合弁会社の名称は北京電控愛思開科技で、北京電控が41%、SKイノベーションが40%、北京汽車が19% を出資する。
北京経済技術開発区にEV用リチウムイオン電池工場を建設、2014年6月の稼働を予定する。

製品は北京汽車傘下でEVの研究開発を手掛ける北京汽車新能源汽車に供給する。北京汽車は2015年までにエコカーの年産能力を15万台まで拡大する予定で、このうちEVは5万台を目指している。

SK イノベーションは旧称 SK Energyで、石油事業(SK Energy) と化学事業(SK Global Chemical)を分離し、2009年設立のSK Lubricantsとともに100%子会社とした。

SKイノベーションは2013年に、自動車部品世界大手のドイツのContinental AG とリチウムイオンバッテリーシステムの共同開発、製造、供給を行う合弁会社SK Continental E-motion  をベルリンに設立している。

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参考  2014/7/5   中国商務部、トヨタの中国ニッケル水素電池生産JVの設立を承認

 

 

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