田辺三菱製薬、鹿島工場を沢井製薬に譲渡

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田辺三菱製薬は6月30日、子会社の田辺三菱製薬工場㈱の鹿島工場を沢井製薬に譲渡する基本合意書を締結したと発表した。


田辺三菱製薬は2013年8月に、戦略課題の一つである「事業・構造改革の加速化」の一環として、国内5工場を、小野田工場と吉富工場の2拠点に集約し、足利工場はシミックに譲渡、残る鹿島工場と大阪工場は2017年までに閉鎖する方針を発表していた。

足利工場については2013年11月に田辺三菱製薬 100%出資のシミックCMO足利㈱として分離、本年4月1日にシミックホールディングスが買収した。
従業員は雇用が継続され、株式譲渡後も引き続き田辺三菱製薬の製品の製造を受託する。

今般、閉鎖する方向で検討を進めていた鹿島工場を沢井製薬に譲渡することで基本合意に至った。
譲渡は2015年4月1日の予定で、従業員は本人の同意のもと沢井製薬へ転籍する。
また、田辺三菱製薬は譲渡後も製品の製造を沢井製薬に委託する。

小野田工場 旧 田辺製薬 存続・強化
吉冨工場 旧 吉冨製薬
足利工場 旧 吉冨製薬 2014/4/1 シミックに譲渡、シミックCMO足利㈱
鹿島工場   閉鎖検討→2015/4/1予定で沢井製薬に譲渡
大阪工場 旧 田辺製薬 閉鎖方針


ーーー

田辺三菱製薬は2007年10月に、三菱ウェルファーマと田辺製薬が統合して設立された。
小野田工場と大阪工場は田辺製薬の工場である。

2007/2/8 三菱ウェルファーマと田辺製薬が合併発表


田辺三菱製薬は2013年8月に、「事業・構造改革の加速化」の一環として、将来的に必要とされる製造能力等を総合的に検討した結果、小野田工場および吉富工場の2拠点に集約し、その他の製造拠点については譲渡を含めた再編を推進する方針と した。

1)  足利工場(栃木県足利市)

 2013年8月1日 シミックホールディングスへ譲渡することで基本合意書を締結 
     11月1日  田辺三菱製薬がシミックCMO足利㈱として分離。
 2014年4月1日 シミックホールディングスが買収

シミックグループの事業は下記の通り。

・CRO(医薬品開発支援)
・CMO(医薬品製造支援)
・CSO(医薬品営業支援)
・ ヘルスケア
・IPD(知的財産開発)

CMO(医薬品製造支援)事業では、日本、韓国(CMIC CMO Korea)、米国(CMIC CMO USA)の3カ国に生産拠点を有し、医療用医薬品、OTC医薬品などを受託生産して いる。

国内の製造体制は下記の通りとなる。

 ・シミックCMO㈱ 
   静岡工場:
錠剤、カプセル剤、散・細粒剤などの固形剤を生産
   富山工場:
軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤などの半固形剤を生産

 ・シミックCMO足利㈱
:固形剤、注射剤を生産  

2012年度 生産実績
 錠 剤 21億錠
 散・顆粒 32トン
 半固形剤 269トン
 注射剤 276万本
   
2) 鹿島工場

2017年度末を目処に閉鎖する方向で検討を進めていたが、今般、2015年4月1日付で沢井製薬へ譲渡することで合意した。

沢井製薬は、千葉県茂原市の関東工場に新製剤工場を建設し、年間100億錠の生産体制の早期構築を進めている。

2013年4月の厚生労働省の「後発医薬品のさらなる使用促進のロード マップ」において、2018年3月末までにジェネリック医薬品の数量シェア60%以上にするという目標が掲げられたことから、ジェネリック医薬品の今後一層の需要増加が見込まれ るため、田辺三菱製薬の鹿島工場を譲り受けることで、安定供給力の さらなる増強を前倒しで実施することとした。

また、鹿島工場の高い技術力と高度な品質管理水準を持つ従業員を受け継ぐことで、生産増強に必要な人材の確保にも努める。

2012年度 生産実績
 錠 剤 3億錠
 散・顆粒 34トン
 注射剤 225万本
   
3) 大阪工場

2017年度末を目処に閉鎖する方向で検討を進めている。

注射剤、固形剤の少量・多品目の製造に適する機動力を有する。

2012年度 生産実績
 錠 剤 1億錠
 散・顆粒 3トン
 注射剤 210万本

 

 

 

 

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