Sinopec Engineering、カザフスタン石化計画から撤退

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Sinopec Engineeringは2013年6月にKazakhstan Petrochemical Industries との間で、Atyrau石化計画のうちのプロパン脱水素とPPの設計・購買・建設契約(18.5億ドル)を締結したが、このたび、この契約を解約した。
昨年来、細目について交渉を続けてきたが、合意に達しなかったとしている。

今後、他の業者が選ばれることとなる。

習近平主席が「シルクロード経済ベルト」を提唱、中央アジア諸国などとの経済協力を進める中で、既に締結した契約を解約するのは異例であり、また同社はカザフスタンで他の仕事も請け負っていることも考えると、余程の問題があったのではと思われる。

Sinopec Engineeringでは、これが既存の事業、今後の事業計画に悪影響がないことを望むとしている。

Sinopec EngineeringはKazMunaiGasのAtyrau 製油所の近代化第2フェースの芳香族工場(ベンゼン 133千トン、パラキシレン 496千トン)の建設を請け負った。

また、同社と丸紅、カザフスタンのKazStroyServiceのコンソーシアムは2011年12月に、同製油所の近代化プロジェクト第3フェーズ案件(新しい流動分解接触装置の建設と、欧州環境基準に合致させるための機器など)のプラント設計・調達・建設契約を約17億米ドルで受注した。

Kazakhstan Petrochemical Industries(KPI)はカザフスタンの法律に基づき2004年に設立された。
国営石油会社KazMunaiGasの傘下の
United Chemical Company LLPが51%、私企業の SAT & Company JSC が49%を保有する。
(LyondellBasell が一時出資を検討したが、取り止めた。)

カザフスタン政府は世界市場でのプレーヤーになることを目指し、海外大手と提携して、西カザフスタンの天然ガスを利用して大規模石油化学コンプレックスを建設することとした。

まず、アラブ首長国連邦アブダビの国際投資会社IPICが2008年にKPIの親会社の国営石油・ガス会社KazMunayGas との間で、西カザフスタンで石油化学コンプレックスを建設する覚書を締結した。 この件は実現しなかった。

2008/1/21 カザフスタンの石油化学計画


現在の計画は
2期に分かれ、第1期はTenghiz ガス田のNGLからとったプロパンを脱水素し、プロピレンからPPを生産するもので、第2期はエタンからエチレン、PEを生産する。

立地はAtyrau市の北東33kmで、KazMunaiGasのAtyrau Refineryがあり、既存のインフラが使用できる。

2009年3月にKPI はTenghiz ガス田を開発するTengizechevroil との間でガスの供給契約を締結した。

Tengizchevroil の株主はChevron (50%)ExxonMobil (25%)KazMunaiGas (20%) とロシアのLukArco (5%) となっている。


各製品の能力、採用技術、建設会社は下記の通りとなっている。第1期の建設を担当するSinopec Engineeringが今回撤退を決めた。

    Technology Basic Engineering Engineering, Procurement, Construction
1st phase PDH
(プロパン脱水素) 
500,000 t/y Lummus
(CB&I )
CATOFIN® CB&I
 
Sinopec Engineering Group
 
PP   500,000 t/y Novolen®
2nd phase Ethylene 
(Ethane cracker)
840,000 t/y LyondellBasell Lupotech® T   LG Chem
 
LDPE  400,000 t/y Spherilene®
LLDPE/HDPE  400,000 t/y


韓国の李前大統領は2011年にカザフスタンを訪問し、資源・エネルギー分野の協力強化で合意したが、その際、LG化学とKazakhstan Petrochemical  (KPI) はAtyrau石油化学団地建設と関連の合弁契約に署名した。


50/50JVを設立し、カスピ海近くのTengiz油田から出るエタンガスを活用してエチレン、ポリエチレンを製造する。

LG化学が工場建設・運営・製品販売を担当する。

2011/8/29   韓国の李大統領、中央アジア3か国歴訪、ガス田開発、石化事業などで合意 

 

 



 

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