米エネルギー省は9月10日、三井物産と三菱商事が輸入契約を締結しているLNG輸出プロジェクト Cameron LNGに対し、FTA非締結国向けのLNGの輸出の最終承認を与えた。
輸出承認は日量1.7Bcf の天然ガスを20年間となっている。年間ベースでは1200万トンの輸出枠となる。
LNGの輸出手続きには次の2つが必要である。
1)連邦エネルギー規制委員会(FERC: Federal Energy Regulatory Commission)が行うLNG
輸出施設の建設・操業承認
環境法や諸規則で求められるレビュー(National Environmental Policy Act review:NEPA
review)
約20もの連邦及び州の組織が関係しており、時間がかかる。
2)エネルギー省が行うNatural Gas Act of 1938 に基づく許可
FTA締結国向け、非締結国向けに別個に承認
エネルギー省はこれまで、1)の承認を待たずに、2)の仮承認を行ってきた。
Cameron LNG についても、2014年2月11日に仮承認をしている。
2014/2/13 米、日本向けLNG輸出 3件目を承認
今般、1)の承認を得て、最終輸出承認を与えたもので、2件目となる。
FTA 非締結国向けのLNG の輸出プロジェクトとしては最初となるSabine Pass プロジェクトの事例でも、FERC の承認取得後、再度DOE が最終承認を付与している。
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これまでの Natural Gas Act of 1938 に基づく非FTA締結国向けの輸出承認は 6ヶ所7件(Freeport 追加を含む)となっている。
2014/3/27 米エネルギー省、西海岸からの非FTA締結国向けLNG輸出を承認
エネルギー省は2014年5月29日、FTA非締結国に対するLNG輸出承認手続きを変更する案を発表した。
今後は、NEPA
reviewが完了して後に初めて、申請を審査し、最終的に決定する案を提案した。
2014/6/6 米国エネルギー省、LNG輸出認可手続きを変更、今後の承認は遅れる見込み
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三井物産と三菱商事は2013年5月17日、Sempra Energyとの間で、Cameron LNGに関する天然ガス液化加工契約及び合弁会社設立契約(液化事業への参加)を締結したと発表した。
三菱商事は日本郵船とのJVで参加、他にGDF Suezも参加する。
年間400万トンx 3基の設備の1基ずつを三井、三菱、GDFSが委託することとなる。
Cameron LNGはFTA締結国向けのLNG輸出許可を2012年1月に受けており、非締結国向けの条件付輸出許可を2014年2月に取得、最終許可が10月までに下りる見通しがついたため、各社は2014年8月6日に最終投資判断を行った。
2012/4/20 三菱商事と三井物産、米国産LNGを輸入へ
Cameron LNGは同日、国際協力銀行並びに、日本貿易保険による保険を融資の一部に付保する市中銀行団と、本事業向けに総額74億米ドルのプロジェクトファイナンスによる融資契約を調印した。
同社はルイジアナ州ハックベリーのLNG輸入基地を輸出基地へと転用する為、新たに年間1,200万トン(400万トン×3系列)の天然ガス液化関連設備を建設、
2018年からの商業生産開始を予定している。
東北電力は三菱商事から30万トン、GDF Suez から27万トン、合計 57万トンを購入する。
東京ガスは2014年7月、三井物産から年間52万トンを購入する契約を締結した。
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