欧州委員会は9月3日、スマートカードのチップで、独 Infineon、オランダのPhilips、韓国 Samsung 及びルネサスの4社がカルテルを結んでいたとし、合計 138,048千ユーロの制裁金を課したと発表した。
このうち、ルネサスは「EUの競争法上で問題となる可能性が発覚し、欧州委員会に免除申請を行い調査に真摯に協力し」、制裁金を免除された。
Samsung は調査に協力し、30%の減額を受けた。
ルネサスは日立製作所と三菱電機のJVのルネサス テクノロジ時代のもの。
2010年4月にNECエレクトロニクスと経営統合し、現在はルネサス エレクトロニクスとなっている。
各社は2003年9月から2005年9月の間に需要家の値引き要請にどう対応するかについて、連絡ネットワークで共謀していた。
欧州委は2009年に、価格を固定し顧客を配分し、業務上慎重に扱うべき情報を交換した可能性があるとして、複数の企業を家宅捜索したことを明らかにした。
本年4月22日に、「カルテルに参加した可能性がある」として、複数の企業に異議告知書を送付したと発表した。
競争法違反の制裁金に関する時効は10年で、9月9日までに制裁金を決定する必要があることから、作業を急いだ。
なお、Philipsの半導体部門のPhilips Semiconductors
は2006年10月に分社化し、現在はNXP Semiconductors N.V となっているが、カルテル当時の事業者としてPhilipsに制裁金を課せられた。
制裁金は下記の通り。(千ユーロ)
減額 |
制裁金 |
|
Infineon |
0 |
82,784 |
Philips |
0 |
20,148 |
Samsung |
30% |
35,116 |
Renesas (Hitachi and Mitsubishi) |
100 % |
0 |
合計 |
138,048 |
PhilipsとInfineonは談合の事実を否定し、裁判所に提訴する方針を明らかにした。
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