矢崎総業、ワイヤーハーネスなどでの米国での集団訴訟で間接購入者と和解

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矢崎総業は9月24日、同社と米子会社がワイヤーハーネス、自動車用計器、フューエルセンダーの購入者により、米国ミシガン州東部地区連邦裁判所において提訴されている集団民事訴訟について、原告の一部である間接購入者と、和解金額を100百万米ドルとする和解契約を締結したと発表した。

裁判の長期化が経営に与える影響や費用を総合的に勘案した結果としている。

このうち、自動車ディーラーとの和解金は24百万ドルで、76百万ドルが消費者との和解金となっている。

同時に、米国のTRW Automotive Holdingsと子会社TRW Deutschland Holding も544万ドルで和解した。

TRWについては、ドイツの同業のZF Friedrichshafen AG が135億ドルで買収する話が9月15日に最終合意した。2015年に手続きが完了する予定で、売上高が410億米ドルのBosch、デンソーに次ぐ世界第3位の自動車部品メーカーになる。

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矢崎総業とTRW Deutschlandは本年6月4日に自動車部品のカルテル問題での需要家等による米国の集団訴訟(MDL:複数管轄地同時継続訴訟)で和解案に合意した。

細目を詰めていた模様で、これまで和解額は公表されていなかったが、9月22日に弁護士が裁判所の承認を求める申請を行い、判明した。

多くの自動車部品メーカー(大部分は日本メーカー)が米国司法省との間で司法取引を行い、罰金を支払っているが、それとは別に自動車部品の需要家や自動車ディーラー、消費者等から訴えられている。

これまでの和解の実績は以下の通り。

    司法取引での罰金 集団訴訟
日本精機 自動車用計器 2012/8 1百万ドル 2013/12 和解額 6百万ドル
Lear Corp. wire harnesses     ---- 2014/5   和解額 8.75百万ドル
Autoliv Inc seatbelts, airbags, steering wheels 2012/6 14.5百万ドル 2014/6/3   和解額    65百万ドル
矢崎総業 wire harnesses 2012/1 470百万ドル
社員6名が禁固刑と罰金
2014/9/22 和解額 100百万ドル
TRW Deutschland seatbelts, airbags, steering wheels 2012/7 5.1百万ドル 2014/9/22 和解額 544万ドル


2014/6/19  矢崎総業、ワイヤーハーネスの価格カルテル問題で米国の集団訴訟で和解 


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日本企業を中心とする自動車部品メーカーは、日本、米国、EU、中国、その他の独禁当局にカルテルを摘発され、多額の制裁金を課せられている。

このうち、矢崎に対する制裁金(及び今回の和解金)は以下の通り。
 

    制裁金 円換算  
日本 2012/1 9,607百万円 96億円 公取委、自動車用ワイヤーハーネスのカルテルで課徴金
USA 2012/1 470百万ドル 493億円 矢崎総業とデンソー、自動車用ワイヤーハーネス等のカルテル問題で米司法省と司法取引
EU 2013/7 125百万ユーロ 174億円 EU、ベアリングカルテルで制裁金 に付記
中国 2014/8 241百万元 42億円 中国が日本の自動車部品メーカー12社にカルテルで制裁金
USA民事 2014/9 100百万ドル 105億円 今回
自動車関係 合計 910億円  
 
自動車関係以外
建設・電販 2011/11 7,262百万円 97億円 公取委、建設・電販向け電線カルテルで排除措置命令及び課徴金納付命令
VVFケーブル 2011/7 2,461百万円


矢崎総業は非上場のため、詳しい財務状況は不明である。官報記載の損益計算書では下記の通りとなっている。

2009年6月期は営業損益が赤字で、加えて多額の特別損失(内容は不明)があり、大幅赤字で、2011年6月期も最終損益が赤字だが、2012年6月期、2013年6月期は最終損益が黒字となっている。(2014/6決算は間もなく公表される筈で、判明すればグラフを更新する)
 

 

 


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