サウジのSaudi Aramco がタイ国営PTTのベトナムの石油精製・石油化学計画に参加する。
PTTのトップが明らかにした。
ベトナム政府に事業計画書を提出しており、今後、ベトナムの通産大臣がこの提案を検討、近く訪問するタイの首相とも協議する予定。
タイのPTTは2012年末に、ベトナム南中部のBinh Dinh省のNhon
Hoi 経済特区に、日量66万バレルという世界最大級の製油所を建設することを計画していると報じられた。
石油化学コンプレックスの建設も計画に含まれている。
その後、他の製油所計画が進捗しているため、同社は精製能力を40万バレルに落とし、詳細を詰めていた。
PTTとSaudi Aramcoがベトナム政府に提出した計画は以下の通りとされる。
計画 Nhon Hoi economic zoneの石油精製・石油化学計画
石油精製 日量 40万バレル(当初計画は66万バレル)
オレフィン系 合計年産300万トン
芳香族系 合計年産200万トン投資額 220億ドル(PTTの当初見積もりは287億ドル) 出資者
PTT 40% PTT子会社 Thai Oil と IRPC も参加 Saudi Aramco 40% ベトナム政府 20% 完成予定 2021年 原油 主にSaudi Aramcoが供給
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ベトナム政府は2007年9月に製油所の建設計画を明らかにした。9つの製油所を建設し、2025 年までに国内需要の90%を自国内の製油所でカバーするとし、原油処理能力の目標値を日量 111~121万バレルとした。(能力は当初の計画で、具体化時点で変更される)
今回の計画は地図の④
現在、具体的に進行しているのは下記の計画。
1)現在稼働しているのはPetroVietnam
のズンクワット(Dung Quat)製油所(地図の③)で、2009年に稼働した。
能力は日量14.8万バレルで、同社は増設を検討中。
2) 出光興産と三井化学は6月6日、両社とクウェート国際石油、ペトロベトナムとの合弁事業である総投資額約90億米ドルのNghi Son 製油所・石油化学コンプレックス建設プロジェクト(地図の②)の最終投資決定を行ったと発表した。
石化計画:
パラキシレン 70万トン/年
ポリプロピレン 37万トン/年
3) Lon Son製油所(地図の⑧)はPetroVietnam の事業。
この製油所に隣接し、タイのSiam Cementグループとベトナム側のJVのLong Son Petrochemical が石化コンプレックスを建設する。
2012年1月、Qatar Petroleum がこれに参加することが明らかになった。
報道によると、コンプレックスはオレフィン 165万トン、ポリオレフィン(HDPE、LDPE、PP) 145万トン、苛性ソーダ 28万トン、EDC 33万トン、VCM 40万トンなどからなる。
2008/8/25 ベトナム最大の石化コンプレックス、9月に建設着工
4)Phu Yen省のHoa Tam
Industrial Zone(地図の⑤)
Vung Ro Petroleum は英国の投資会社Technostar Management とロシアのTelloil GroupとのJVで、Hoa Tam Industrial Zoneに製油所(LPG, Gasoline, Jet Fuel, Diesel, Fuel Oil) と石化プラント(BTXと年産90万トンのPP)の建設を開始した。投資額は31億8千万ドルとされる。
Hoa Tam Industrial Zoneに538ヘクタールの土地を確保、2007年11月に製油能力 400万トンで投資ライセンスを取得したが、2013年12月初めに、能力を800万トンにアップした。
2013年11月にLummus Technologyとの間で、エチレン回収とOCT(エチレンとブチレンからプロピレンを製造)に関するライセンス・エンジニアリング・技術サービス契約を締結し、2014年1月にはINEOSからInnovene PP 技術(年産90万トン)を導入した。
2014年9月9日、現地で鍬入れ式を行った。
2014/1/24 ベトナムの新しいポリプロ計画
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