BASFは10月16日、Performance
Chemicals 部門に属するテキスタイルケミカル事業をArchromaに売却すると発表した。
BASFのテキスタイルケミカル部門はテキスタイルの前処理、印刷、最終加工、コーティングを含むテキスタイルの全処理のための化学品を供給するもので、グローバルに展開する。シンガポールに本拠を置き、特にアジアの成長市場に強い足場を持つ。売却対象にはBASF
Pakistan (Private) Ltd.を含む。
BASFは2013年3月には、皮革&テキスタイルケミカル事業の再編を行い、成長するアジア太平洋地域と、自動車向けレザーや高級テキスタイル製品などの高付加価値用途を重視し、強化し、同事業のグローバル研究開発拠点を中国の上海に設置するとしていた。
しかし今回、この事業を成功させるにはクリティカルマスが必要であり、Archromaとの統合で今後の成長が期待できるとしている。
BASFはPerformance Products のポートフォリオ管理を積極的に行い、成長市場分野への特化を進める。
独禁当局の手続きなどを経て、2015年第1四半期に取引を完了させる予定。取引条件は明らかにしていない。
Archromaは、Specialty
Materials &Chemicals とHealthcare分野のニッチ市場のリーダー企業を買収しているSK
Capital Partnersが、2013年10月にClariantから買収したTextile
Specialties、Paper Solutions 及びEmulsion Products 事業の運営のために設立した。
2008年にClariant の分割の噂が報じられた。
同社は
①Textile, Leather & Paper Chemicals、②Pigments & Additives、
③Masterbatches、④Functional Chemicals
の4部門から成るが、報道によると、①のTextile, Leather & Paper Chemicals は投資会社に、②のPigments & Additives は競争相手に売却され、③と④だけが残るというもの。報道の通り、Textile Specialties、Paper Solutions 及びEmulsion Products 事業がSK Capital Partners に売却された。
2008/9/27 Clariant、会社分割か?
SK Capital Partnersについては、2013/5/18 SK Capital Partners の事業
Archromaの事業内容は以下の通り。
Textile Specialties:テキスタイルの前処理、染色、印刷、最終加工に使う特殊ケミカル
Paper Solutions:あらゆる種類の紙の脱色、着色、特殊コーティング、強化処理
Emulsion Products :ペイント、接着剤、建設、テキスタイル、製紙など幅広い分野での問題解決
ArchromaはBASFから買収するテキスタイルケミカル事業を同社のTextile Specialty 事業(こちらもシンガポールに本拠を置く)に統合する。
Archroma はPaper Solutions 事業はスイスに、Emulsion Products 事業はブラジルに本拠を置く。.
Clariantは1995年に Sandoz の化学品部門がスピンオフして出来た企業で、1997年にはHoechst の化成品部門を買収しており、ArchromaのTextile Specialty 事業はSandoz、Hoechst、Clariant の技術を引き継いでいるが、今回、これにBASFの技術が加わる。
Archromaは2014年5月には、自動車、カーペット、アパレル向けの染料、化学品を生産するドイツのM. Dohmen SA の49%を買収している。
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