Dow Chemical、非戦略事業の売却を進める

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Dow Chemical は10月2日、非戦略事業の売却計画の進行状況を発表した。
同社では、2015年までに45億ドル~60億ドルの非戦略事業、資産の売却を計画している。


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同社は2013年3月に1年半で15億ドル以上の資産を売却すると発表した。
この時点では
売却事業として、PP Licensing and Catalysts 部門とPlastics Additives 部門を挙げた。

Dowは2013年10月11日、PP Licensing & Catalysts Business をW. R. Grace に5億ドルで売却する契約を締結したと発表した。

Plastics Additives については、DowのLiveris会長兼CEOは2013年9月17日の説明会で、買い手の価格が安すぎるため、売却を中止すると述べた。

2013/3/19  Dow Chemical、非中核事業の資産売却を促進

2013年7月の第2四半期決算の説明会では、更なる売却を検討していることを明らかにした。

各事業を市場の成長性とEBITDA率で分析、Performance Plastics、Agricultural Sciences、Electronic & Functional Materials の3事業は有望事業とした。

残りのCoatings & Infrastructure Solutions と Performance Materialsの2事業のうち、エポキシ、欧州の建築資材(Building & Construction)、塩素誘導品(クロロフォルム、メチルクロライドほか)などは期待以下であり、JVや売却などを含むあらゆる可能性を検討する必要があるとした。

2013/7/30    Dow も更なる事業売却を検討 

この後、2013年10月には売却目標を30~40億ドルに引き上げた。年末には塩素事業の売却を発表した。

2013/12/5 Dow Chemical、塩素事業からの撤退を発表

ヘッジファンド、Third Point LLCを率いるActivist Investor(物言う株主)のDaniel Loebは2014年1月21日、Dow Chemicalに手紙を送り、石油化学事業とスペシャリティケミカル事業を分離するよう求めた。

Dow Chemical はこの可能性を検討した結果、分割のメリットはないと判断し、要求を拒否した。

2014/2/18  物言う株主、Dow Chemical の分割を要求、会社側は拒否 

石油化学事業とスペシャリティケミカル事業の分離要求に対抗するため、Dowは3月19日の投資家向け会議で売却目標を45~60億ドルに引き上げた。

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今回、Dowは次の3事業の売却を進めていることを明らかにした。年末までに契約を結び、2015年早々に取引を完了する見込みで、3事業の売却額は20億ドルを超えるとみている。

1)子会社 Angus Chemical Company

同社は1936年に最初の特許申請をして以来、ニトロアルカン関連製品を開発、製造している。
現在、4つのニトロアルカン製品、ニトロメタン、ニトロエタン、1-ニトロプロパン、2-ニトロプロパンを製造している。

2)水素化ほう素ナトリウム(Sodium Borohydride)事業

Dow はファインケミカルの合成に使う試薬、水素化ほう素ナトリウムやホウ酸トリメチル(TriMethyl Borate) などを供給している。

3)AgroFresh

AgroFreshはDow AgroSciences部門に属する子会社で、果実の成熟を抑えたり、カットした果物の傷みを抑えるのに用いられる 1-MCP (1-Methylcyclopropene) などを扱う。

これに加え、Dow は北米の貨車の大部分を450百万ドルで売却したと発表した。リースに切り替える。

塩素事業(クロルアルカリ/クロルビニル、有機塩素、エポキシ)の売却も進めており、年末までにオファーを受け、2015年第2四半期初めまでには契約が締結できるとみている。

今までに完了した処分合計は13億ドルで、最終的に目標の45~60億ドルの上の方に収まるとみている。

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Dowは上記の通り、PPのLicensing & Catalysts 事業をW. R. Graceに売却したが、PE 技術のライセンサーであるUnivation Technologies, LLCについては、JV相手のExxonMobil の50%持分を買収し、100%子会社とする。

Dow Chemical とExxonMobil Chemical は10月2日、現在は両社の50/50JVであるUnivation Technologies, LLCをDowの100%子会社とすることで合意したと発表した。

Univation Technologies は UNIPOL™ PE Process Technology のライセンサーであり、UNIPOL法の触媒(UCAT™ Conventional、ACCLAIM™ Advanced Unimodal、XCAT™ Metallocene、PRODIGY™ Bimodal Catalysts)の製造販売を行っている。




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