Ineosは2014年8月18日、英国のPEDL(Petroleum
Exploration and Development Licence)の133鉱区の権益の51%を取得し、初めてシェール開発に参加すると発表した。
Grangemouth complex
で石化の原料及び燃料として使用する。現在、米国からのシェールガスエタンを輸入するためのインフラを建設中。
PEDL 133鉱区はMidland Valleyにあり、IneosのGrangemouth石油精製・石油化学コンプレックスを含む329km2をカバーする。
133鉱区の権益の残りの49%はDart Energy が所有する。
2014/8/22 Ineos、スコットランドのシェールガス開発に参加
英国ではシェール開発地域で反対運動が強まっている。
これに対し、Ineosは9月28日、開発地域に対して総額25億英ポンド(約4400億円)を支払う計画を発表した。
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シェールガス井戸の周辺の住宅所有者、土地所有者、コミュニティにシェールガス収入の6%を支払う。
・ 推定では、新しいシェールガス事業から25億英ポンド以上を払うこととなる。
・ Ineos のシェールガス地域(100km2) の住民は掘削期間中、毎年375百万英ポンドを受け取る。
・ このうち、井戸の真上の住宅・土地所有者は、収入の4%を受け取る。(毎年250百万英ポンド)
・ 井戸の周辺のコミュニティは、収入の2%を受け取る。(毎年125百万英ポンド)
・ 井戸は約200あるため、1つの井戸ごとで、住宅・土地所有者は毎年 130万英ポンド、
コミュニティは60万英ポンドを受け取る。
掘削期間は6~7年と見ている。
(250+125) x 6.66 =2,500 百万英ポンド(総額)(1.3 + 0.6) x 200≒375百万英ポンド(毎年)
同社では、シェールガスの利益をシェアするというのは米国で一般的であり、コミュニティを事業の当事者とし、コミュニティがシェールガス生産を支持するのに役立つと信じるとしている。
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Ineosの今回の発表は業界に激震を与えた。
英国のシェールガス開発の業界団体UK Onshore Oil & Gas (UKOOG) 加盟の各社は、掘削地域コミュニティに対し、開発段階ではサイトごとに10万英ポンド、生産時には収入の1%を払う約束をしている。
これに対し、Ineosの発表は6%である。
Ineosは UKOOGのメンバーではあるが、差を付けるのが目的ではないとし、他社とは立場が違うとしている。
シェールガスのユーザーとしての参入であり、米国のやり方(コミュニティに大きな利益を与える)をよく知っている。
英国のシェールガス開発は行き詰っており、現在は否定的な影響のみが伝わっているが、大衆に利益を説明する新しいアプローチが必要である。
業界では、Ineos提案は生産が始まってからの、今から数年先のことで机上の計算であり、まずシェールガス井戸を掘削し、生産することだとしている。
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