Chesapeake Energy は10月16日、西バージニア州のUtica Shaleの一部と Southern Marcellus Shaleの資産をSouthwestern Energy Companyに53億75百万ドルで売却する契約を締結したと発表した。

西バージニア州北部とペンシルバニア州南部の約413千エーカーと1500の井戸(うち435はMarcellus、Uticaシェール層)及び関連施設を売却する。
これらの資産の生産量は原油換算で日量56千バレルで、ガスが184,000Mcf、NGLが2万バレル、コンデンセート 5千バレルとなっている。
2013年末現在の確認埋蔵量は原油換算 221百万バレル。

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Chesapeak Energy は、ExxonMobilに次ぐ米天然ガス2位で、"America's Champion of Natural Gas"、"the biggest frackers in the world"と自称し、2012年までの5年で900万エーカーを超える土地(全てを掘削するのに30年かかる)をリースし、新しいシェール層が見 つかると、権利の獲得を続けた。

同社は算出ガスの一定量を提供するという金融取引で資金を調達していたが、2012年に同社の借入金は162億ドルに達し、株主は経営トップのリスク志向や支出への意欲について懸念するようになった。

Chesapeake Energy は2012年5月1日、創業者で会長兼CEOの Aubrey K. McClendonが会長職を辞すると発表した。

Chesapeakeには創業者参加計画(FWPP:Founder Well Participation Program)という名の計画があり、McClendonが同社の数千にも及ぶ井戸の全てについて2.5%の持分を購入することを認めているが、McClendon CEOがChesapeakeの石油・ガス井に対する個人持分を担保に過去3年間で11億ドルを借り入れていることをReutersが報じた。
借り入れた資金はこの個人持分の購入に使われていた。

更に、McClendon が2004年から2008年までの間にヘッジファンドを通じChesapeakeの扱う製品と同じ石油や天然ガスなどに2億ドルを投じていたと Reutersが報道した。

ある上院議員は司法省に対し、詐欺、価格操作、利益相反、その他の違法行為がないか、Chesapeakeを捜査するよう求めた。

2012/5/9   Chesapeake Energyの混乱

Carl Icahnが会長の行動を抑えるため同社株7.6%を取得、会長を辞めさせるとともに取締役の半数を入れ替えた。
McClendonは2013年4月1日付けでCEOも辞した。

その後、同社は資産売却を続けた。

2012年9月に、Permian Basinの資産を69億ドルで売却するいくつかの契約を締結した。年内に期限が来る40億ドルの借入金を返済した。

Permian Basinの 南 Delaware Basin portion の資産をShell 子会社に、北 Delaware Basin portion の資産をChevronに売却した。
また、Midland Basin portion を EnerVest, Ltd.に売却した。(以上3社で33億ドル)

更にEagle Ford、Utica、Haynesville、Powder River Basin Niobrara shale play などの集荷、処理施設をGlobal Infrastructure Partnersに27億ドルで売却。
他の2社にMid-Continentの中流資産を3億ドルで売却した。
2012年6月にもAccess Midstream Partners, L.P. の持分の売却(20億ドル)を加えると、中流資産の売却は50億ドルに達する。

また、Utica Shaleや他の地区の非コアのリース資産を6億ドルで売却した。

2012年12月には、Marcellus、Utica、Eagle Ford、Haynesville、Niobrara shale などの集荷、処理施設のほとんどをAccess Midstream Partners, L.P.に21.6億ドルで売却した。
また、OklahomaとTexasの集荷、処理施設を1.75億ドルで売却した。

2013年5月に、AnadarkoのSenior Vice PresidentのDoug LawlerがCEOに就任した。

Chesapeake Energyは2013年7月、Northern Eagle Ford Shale とHaynesville Shale を EXCO Resources, Inc. に10億ドルで売却した。

2014年1月には、Chaparral Energy, Inc.の権益100%を2.15億ドルで売却した。

2月には、 Access Midstream Partners, L.P.とExterran Partners, L.P. に子会社 MidCon Compression, L.L.C.の持つ圧縮機 437基を5.2億ドルで売却した。

同社の借入金は115億ドルに減っているが、今回の売却収入はこの借入金の返済に使われる。

同社の損益状況は下記の通り。

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既報の通り、Chevronは10月6日、カナダAlberta 州のDuvernay シェール層の30%の権益をKuwait Petroleum の100%子会社 Kuwait Foreign Petroleum Exploration Company(KUFPEC)に15億米ドルで売却する契約を締結したと発表した。

Apache Corp.は、物言う株主の Jana Partners LLC(ヘッジファンド)からリストラ実施の圧力を受け、本年7月にカナダのKitmat LNG 計画と豪州のWheatstone LNG 計画からの離脱の意向を明らかにした。

2014/10/9  Chevron、カナダのシェール権益の30%をクウェート石油子会社に売却、JV運営


住友商事は9月29日、米国のタイトオイル開発などで2700億円の大幅な損失を計上すると発表した。

2014/10/1  住友商事、米国のタイトオイル開発などで大幅な損失計上


Shellは8月14日、ドライガス(シェールガス)中心のLouisiana州のHaynesville シェールとWyoming州のPinedaleシェールを売却し、コンデンセートやLPG などのウェットガス を多く含むMarcellusとUticaシェールを取得すると発表した。

Ultra Petroleumを相手に、Pinedal の鉱区を売却、MarcellusとUticaの鉱区を購入し、ネットで925百万ドルを取得する。
Vine Oil & Gas LP とそのパートナーのBlackstoneにHaynesvilleの鉱区を12億ドルで売却する。

シェールガスは100万BTU当たり4~5ドル程度で、採算が取れていない。
     2013/4/5  米国のシェールガス開発会社が破産法申請 

これに対し、コンデンセートは原油価格相当であり、これまではバレル当たり100ドル程度の収入があった。
(但し、今後原油価格が更に下がると、これも儲からなくなる。)


米国のシェールガス、シェールオイルも決してバラ色ではないようだ。