米国立衛生研究所(NIH)と英製薬大手Glax0SmithKline (GSK) は11月26日、共同開発中のエボラ出血熱のワクチンについて、第1段階の臨床試験(治験)で安全性を確認したと発表した。ウイルスの増殖を抑える抗体ができていることも確かめた。
エボラ熱ワクチンのヒトでの治験結果が出たのは初めて。
このワクチンcAd3-EBOは、NIHのアメリカ国立アレルギー・感染症研究所
(NIAID)と、2013年にGSKが250百万ユーロで買収したスイスのバイオ企業
Okairos AGが共同開発したもので、チンパンジーの風邪のウイルス(chimpanzee adenovirus type
3)を使用して、エボラタンパク質を人間の体に運び込むもの。
(ワクチンは、エボラウイルスに対する抗体を作り出すように促すもので、ワクチンの接種によって、チンパンジーの風邪もエボラ出血熱も誘発されることはない。)
治験は米東部メリーランド州のNIHで実施した。20人の健康な成人にワクチンを投与し、全員に抗体ができていることを確認。2人が発熱したが翌日までに回復し、重大な副作用はなかったという。
11月26日付けのNew England Journal of Medicineに Preliminary report が発表された。
NIHは、多くの被験者で体内でエボラウイルスが増えるのを抑える働きがあるとも指摘されている「T細胞」も増えたとしている。
来年初めにリベリアとシエラレオネ、恐らくギニアでも、医療従事者ら数千人を対象に、効果を確かめる次の段階の治験を始める。
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一つは上記のGSKのもの。
もう一つはカナダのPublic Health Agency
が最初に開発したもので、NewLink
Geneticsの100%子会社のBioProtection
Systemsが独占実施権を得ている。
WHOは9月にジュネーブで開いた専門家会合で、エボラ出血熱の治療や予防の方法を検討し、この2種類が利用可能になるとの見解に至った。
参考 2014/10/29 エボラ出血熱ワクチンの開発進む
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