中国の国土資源部はこのたび、Sinopecに対し、2011年の最初のシェールガス鉱区の入札で約束した投資をしなかったとして約130万ドルの罰金を課した。
政府筋は石油・ガス権益の管理の強化の一環であるとし、投資をしないなら他にやらせるので権益を返却するべきだとしている。
Sinopecは2011年7月に貴州の南川(Nanchuan)シェールガス鉱区の権益を取得したが、山岳地域での開発作業は予想より厳しく、約束した額の73%しか投資できていない。
河南省煤層気開発利用有限公司(Henan
Coalbed Methane Development and Utilization Co.) も近くの秀山(Xiushan)
シェールガス鉱区で約束の半額しか投資しなかったとして約 98万ドルの罰金を課せられた。
両社とも、鉱区の一部を政府に返却した。
中国は世界最大の技術的に回収可能シェールガス資源を持つとされ、米国をLNG輸入国から輸出国に変えたブームの再現を目指している。
米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)は2011年4月に「世界のシェールガス資源量評価」を発表、中国の技術的に回収可能なシェールガス資源量は 1,275Tcf(36兆m3)で米国を上回る世界最大のシェールガス資源国であると評価した。
しかし、開発は遅れており、中国政府はいらだっている。
中国政府は本年8月、2020年のシェールガス産出目標を当初の600億~800億m3 から300億m3に下方修正した。
2013年のすべてのガス田でのシェール産出量は2億m3だった。
中国では、PetroChinaとSinopecが良好なシェール鉱区の大部分の権益を握っており、業界ではこれが開発の遅れの一因であるとしている。
これまでの4年間で成功したのはSinopecの重慶涪陵(Fuling)シェールガス田だけである。
中国国土資源部は重慶涪陵(Fuling)シェールガス田の新規確認原始埋蔵量について審査を行い、1,067.5億m3と認定した。
6月末時点で、29の試験井の日量生産量は320万m3で、生産量累計は611百万m3となった。
四川省ではPetroChinaがShellとのJVで開発を行っているが、Shellは地形の問題や水の確保が難しいことから事業を縮小する可能性を示している。
PetroChinaでは事業棚上げとの報道を否定したが、Shellはテスト井の結果(良好なものとそうでないものが混在している)を検討中で、次にどうするかは来年早々に決めるとしている。
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中国のPetroChina、Sinopec、中国海洋石油(CNOOC)は競って 北米のシェールオイルやオイルサンド事業に参加 している。
これには、事業参加によって技術を取得し、中国のシェール開発に役立てるという目的もある。
しかし、技術を勉強しても、それだけでは中国でのシェール開発は目論見どおりにはいかないと思われる。
石油・ガス掘削の歴史、シェール掘削の周辺技術、機器の供給・修理体制、パイプラインや処理施設、輸送態勢、水資源、土地の利用の権利関係、資金ソース、法律体制、税制など、全てが揃って初めて、事業としてやっていける。
また、石油や天然ガスと異なり、一つの井戸で長期間継続しての掘削は出来ない。
埋蔵量があるというだけで、ゼロから掘削を行っても、成果を得るのは難しいと思われる。
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