JX日鉱日石エネルギーは12月22日、ベトナム最大手の石油製品販売会社Vietnam National Petroleum Group (Petrolimex) との間で、同社への出資ならびにベトナム南部Vanphong 経済特別区における製油所新設について、独占的に交渉・検討する旨を定めた覚書を締結したと発表した。
現在のベトナムでは日量35万バレルの石油製品需要があるが、現在稼働しているのはPetroVietnam
のズンクワット(Dung Quat)製油所(下の図の③)のみで、能力は14.8万バレルである。
経済成長に伴い今後も堅調に増加すると見込まれており、PetrolimexはVanphongに日量20万バレルの原油処理能力を有する製油所の新設を検討している。
JXはこの計画 (下の図の⑦)に参画する。
但し、ベトナムでは多くの製油所計画が先行しており、それぞれには強力なメンバーが参加しており、この計画は簡単ではないと思われる。
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ベトナム政府はこのたび、タイの国営石油会社 PTT とサウジのSaudi Aramco の50/50JVによる大規模石油精製・石油化学計画を承認した。
Binh Dinh 省のNhon Hoi 経済特別区(下の図の④)に日量40万バレルの製油所と、年産200万トンの芳香族、290万トンのオレフィンの石油化学プラントを建設するもので、投資額は220億米ドル。製油所能力は2021年頃に5割増しにする案もある。
当初計画ではベトナム政府が20%出資するとされたが、現在は2社の50/50で、今後、ベトナム企業が参加する可能性がある。
建設は2016年に始め、2021年に生産を開始する予定。
2014/9/19 タイPTTのベトナム石油精製・石油化学計画にSaudi Aramco が参加
報道によれば、 ベトナム政府はこの計画に対し次の恩典を与えたという。
・操業開始後の最初の4年間は法人税ゼロ
・次の9年間は通常の法人税率の1/4
・本計画の輸入原油に対して関税ゼロ
・輸出税については交渉する。
(ベトナムでは現在は製油所が1箇所のみで国内需要を満たせず、輸出はゼロ)
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ベトナム政府は2007年9月に製油所の建設計画を明らかにした。9つの製油所を建設し、2025 年までに国内需要の90%を自国内の製油所でカバーするとし、原油処理能力の目標値を日量 111~121万バレルとした。(能力は当初の計画で、具体化時点で変更される)
出光興産と三井化学は2013年6月6日、両社とクウェート国際石油、ペトロベトナムとの合弁事業である総投資額約90億米ドルのNghi Son 製油所・石油化学コンプレックス建設プロジェクト(地図の②)の最終投資決定を行ったと発表した。
石化計画:
パラキシレン 70万トン/年
ポリプロピレン 37万トン/年
Lon Son製油所(地図の⑧)はPetroVietnamの事業。
この製油所に隣接し、タイのSiam Cementグループとベトナム側のJVのLong Son Petrochemical が石化コンプレックスを建設する。
2012年1月、Qatar Petroleum がこれに参加することが明らかになった。
報道によると、コンプレックスはオレフィン 165万トン、ポリオレフィン(HDPE、LDPE、PP) 145万トン、苛性ソーダ 28万トン、EDC 33万トン、VCM 40万トンなどからなる。
2008/8/25 ベトナム最大の石化コンプレックス、9月に建設着工
Phu Yen省のHoa
Tam Industrial Zone(地図の⑤)
Vung Ro Petroleum は英国の投資会社Technostar Management とロシアのTelloil GroupとのJVで、Hoa Tam Industrial Zoneに製油所(LPG, Gasoline, Jet Fuel, Diesel, Fuel Oil) と石化プラント(BTXと年産90万トンのPP)の建設を開始した。投資額は31億8千万ドルとされる。
Hoa Tam Industrial Zoneに538ヘクタールの土地を確保、2007年11月に製油能力 400万トンで投資ライセンスを取得したが、2013年12月初めに、能力を800万トンにアップした。
2013年11月にLummus Technologyとの間で、エチレン回収とOCT(エチレンとブチレンからプロピレンを製造)に関するライセンス・エンジニアリング・技術サービス契約を締結し、2014年1月にはINEOSからInnovene PP 技術(年産90万トン)を導入した。
2014年9月9日、現地で鍬入れ式を行った。
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