中国国有の石炭大手、神華能源(Shenhua Energy)は12月24日、世界最大級の埋蔵量を誇るモンゴルのTavan Tolgoi 炭鉱の開発プロジェクトについて、同社の企業連合がモンゴル政府との優先交渉権を得たと発表した。
12月初めにテンダーが行われ、この企業連合と米石炭最大手Peabody Energy Corp. が入札に参加していた。
企業連合は神華能源、住友商事、Energy Resources LLC(Mongolian Mining Corp の子会社)の3社で構成される。
神華は企業連合の詳細を発表していないが、本年初めにモンゴル政府が出した規則では、モンゴル国内で5年以上の経験を持つモンゴル企業が最低 51%を持つことと決めている。(この資格を持つのは、Mongolian Mining Corp のほかは、小規模のTavan Tolgoi JSC のみ)
Tavan Tolgoi は74億トンの原料炭の埋蔵量を誇り、Tsankhi、Ukhaa Khudag、Bor tolgoi、Borteeg、South-west、Eastern
の6地区に分かれる。
Tsankhi 地区が最大で、更に東西に分割されるが、企業連合はこのTsankhi 地区(東西とも)の開発権を得た。
なお、現在の時点では、他にEnergy Resources LLCがUkhaa Khudag 地区の開発を行っている。
企業連合は、年間30百万トンの石炭を生産し、少なくとも2つの石炭市場に運ぶことが求められる。
別途、伊藤忠、双日、三井物産が石炭を国際市場に運ぶ仕事に関心を示しているとされる。
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これまでの経緯は下記の通り。
1945 | ソ連の探査チームがTavan Tolgoi を発見、1985年まで試験掘削とFSが行われた。 |
1990年代 | モンゴル政府は外国企業による探査を許可、BHPが探査権を取得したが、1990年代央に資金問題で権利放棄した。 |
2006 | Mongolia Mining Corp.の子会社 Energy Resources LLC にUkhaa Khudag 地区の採掘権を与えた。 |
2007 | 政府はErdenes MGL LLCを設立、Energy Resources LLC のUkhaa Khudagを除き、Tavan Tolgoiを国有化した。 |
2010 | Erdenes MGL LLC はTavan
Tolgoi の権益所有、管理のため、子会社Erdenes Tavan Tolgoi を設立。 政府 51%、IPO 29%、モンゴル市民 10%、モンゴル企業 10% |
2011 |
モンゴル政府はTavan Tolgoi
を2ゾーンに分けた。 1ゾーンはErdenes Tavan Tolgoi 2ゾーンは海外企業 |
2011/7 | 海外企業の入札結果 神華能源 40%、Peabody Energy 24%、国営ロシア鉄道と韓国の国策資源開発のKorea Resources の連合 36%のチームに決まった。 * 2010年9月に三井物産が神華集団と包括的業務提携 三井物産がこの事業に参加するとの情報が流れた。 * ロシア・韓国連合に伊藤忠、住友商事、丸紅、双日の4商社が加わるとの情報もあった。
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2012/5 | モンゴル政府は、外国企業がモンゴルの主要戦略資産の49%以上を取得する場合、国会の承認を必要とするとの法律を通した。 |
2014/12 | Tsankhi 地区(東西)のテンダー 神華能源、住友商事、Energy Resources LLCのチームとPeabody Energy Corp. が参加、前者に決定 |
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